- ベストアンサー
「奉げる」を「ささげる」と読むのは誤りですか?
奉職という熟語があります。 「職に身をささげる」という意味と思いますが、辞書で「奉げる」という言葉を見つけることができません。 「捧げる」だけが正しくて、「奉げる」を「ささげる」と読むのはどんな場合でも誤りということになるのでしょうか。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>「職に身をささげる」という意味と思いますが 職に就く、職(の命)を受ける、という意味だと思います。「身をささげる」とは少し意味が違いますよね。狭義には教師などの官の仕事に就くことをさすものでしょう。「官の仕事をしている」という意味は比較的新しい使いかただと思います。 「奉」には「ささげもつ」意から、うけたまわる、つかえる、という意味があり、「奉職」のばあいはこの意味でしょう。「捧」は「奉」が原字です。これは「奉」が上述のように広い意味を持つようになったことから、「奉」をもとにして「捧」が「ささげる」意味限定の字として後からできたということらしいです。 >どんな場合でも誤りということになるのでしょうか どちらも「ささげる」という意味のある字ですので、必ずしも誤りとはいえないと思います。個人の趣味がゆるされているような小説や日記などではかまわないのではないでしょうか。間違いと決めつける理由はないと思います。 辞書に「奉げる」がないとはいっても、それは上からの指定によるものにすぎません。下から、つまり漢字本来の意味から訓をつける観点からいえば「奉げる」と書いたって文句いわれる筋合いはないといえるでしょう。 ただし、どちらも常用ではありませんので、一般(公用・学校など)に漢字で書かれることはありません。また、常用漢字表では奉の訓としては「たてまつる」だけが指定されていますので、常用ではない「捧げる」よりさらに使用しづらいことになります。 個人的には、「奉げる」と書いてしまうと「捧げる」の存在意義がないような気がします。「捧」の間違いと思われるのもイヤですし、やはりかな書きが一番でしょうね。
その他の回答 (3)
- garamond
- ベストアンサー率53% (1119/2111)
現在の一般的な表記では「捧げる」と書くのが標準的ですし、国語のテストでもそのように解答するのがいいでしょう。 しかし「奉げる」が間違いとは言えません。 「奉」という字は“手で捧げ持つ”という意味で、「捧」の原字です。 つまり「奉」に音義ともに備わっていたのですが、敬語表現などで「奉勅」のように用いられるようになったため、もともとの意味を表す字として、義符の「手」を加え、形声字のようにしたものです。 同様なことは、「原」が本来の意味から拡大されてしまったために、さらに義符「水(サンズイ)」を加えて「源」の字を作った例にも見られます。 〔「奉」という字には既に「手」がパーツとして含まれています。 下部の「キ」のようなものがそれです。 「舉」(俗字と言うべきではありません) の下部にも見えるものです。 「心」が左の偏旁としては「悦」のようになり、“三角屋根”の下の偏旁としては「恭」のようになるのと同様に、 「手」は左の偏旁としては「持」のようになり、“三角屋根”の下の偏旁としては上記「奉」などに含まれる形になります。〕 そういうわけで、本来の字義から言えば、「奉」を“ささげる”の表記に使うことは間違いではありません。 ただ「奉(ささ)げる」とルビを附けたほうがいいかも知れません。 少なくとも「差(たがう)」を「さす」と読ませたりするよりもよほどまっとうな、字義に適った読みです。
お礼
いつも大変お世話になっております。 ご回答いただきありがとうございました。 >間違いではないが、「捧げる」と書くのが標準的、ということですね。 しっくりきます。 色々な他例を挙げてご説明いただき、大変参考になりました。
- kantansi
- ベストアンサー率26% (658/2438)
残念ながら「奉職」には「職に身をささげる」と言う意味はありません。 単に「公職につく」と言う意味でしかありません。 公務員には、納税者の為に滅私奉公で働いてもらいたいとの意識で、「奉職」を「職に身をささげる」と誤解されているのかとも思いますが、全員とは言いませんが、今の公務員のやってることを見れば、「職に身をささげる」と言うのが如何に誤った解釈かお分かりと思います。
お礼
ご回答ありがとうございました。 > 単に「公職につく」と言う意味でしかありません。 :公職に就くのに「奉」の字を使うには、当初それなりの理由があったのでしょうね。 それが何か気になります。 昨今は公務員に限らず「色」や「食」に身をささげる方が多いようで困りますね。^^; 色々と参考になりました。
- tani_rohei
- ベストアンサー率33% (8/24)
「ささげる」と入力して、変換すると、「奉げる」も変換候補に出てきますね。常用外になっていますが。 ぼくは個人的に、漢字の訓読には正解も誤りもないと思っています。もともと訓読というのは、漢字に日本語の音を「当て字」しているわけですから。ただ、もともとの漢字に動詞の意味がない場合、動詞として訓読するのはちょっとキツいかな、とは思いますが。 「奉」という字を『漢字源』(学研)で見てみると、ちゃんと動詞の意味が載っており、「たてまつる。両手でささげ持つ。また、手でささげてさしあげる」という説明になっています。一般的な訓読は「タテマツる」もしくは「ホウじる」だと思われますが、「ささげ持つ」という意味があるので「ササげる」という訓読も間違いではないでしょう。 ちなみに「奉職」の項の訓読は「職を奉(ほう)ず」になってます。
お礼
ご回答ありがとうございました。 >漢字の訓読には正解も誤りもないと思っています :私などは基礎が無いので、変換はできるけど辞書に無い、などとなるとパニックになってしまうようです。^^; 動詞の意味があれば、あながち誤りと決め付ける必要も無いのですね。 大変参考になりました。
お礼
いつも大変お世話になっております。 ご回答いただきありがとうございました。 「ささげる」というより、「うけたまわる、つかえる」と考えたほうが良いのですね。 比較的新しい使い方なのですか。 常用漢字としての「たてまつる」に限定したほうが無難だと考えるようにします。 大変参考になりました。