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低セタン価の燃料が安い理由は?
- 低セタン価の方が安価な理由はなぜでしょうか。
- セタン価は燃えやすさを表しており、低セタン価は燃えにくい燃料を意味します。
- 一方、ガソリンのオクタン価は圧縮比を表し、ハイオクガソリンは燃えにくいため高価です。この矛盾について教えてください。
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「燃えやすい」、「燃えにくい」という言葉を使うと誤解が生じます。ガソリンの中同士で比べているとわからないと思います。ガソリンと軽油はどちらが燃えやすいと言いますか。普通のイメージで言うとガソリンですね。ビーカーにガソリンを入れて火のついたマッチを近づけます。すぐに火がつきます。軽油(実験したのは灯油です)にマッチを放り込んでも火は着きません。これは引火点の違いで言っています。ガソリンの引火点は氷点下ですからいつでもマッチで火を着けることが出来ると考えていいでしょう。でも発火点という面では軽油の方が低いです。燃えやすさを発火点だけで言うとおかしくなります。ガソリンエンジンは点火プラグで火を着けます。点火源がありますから引火です。発火は起こって欲しくないです。ディーゼルエンジンには点火プラグがありません。圧縮だけで発火させます。引火は関係ありません。オクタン価の高いガソリンは発火点の高いガソリンです。引火点は十分低いですからスパークを飛ばせば火が着きます。圧縮途中での発火は望ましくないです。オクタン価100の基準となっているのは枝分かれのあるオクタンです。 ディーゼルエンジンは圧縮だけで着火させますから発火しやすい物質の方がいいです。セタン価を決める基準物質にはC16H34を用いています。枝分かれのないセタンC16H34のセタン価を100、枝分かれの多い2,2,4,4,6,8,8ヘプタメチルノナンのセタン価を15としています。この違いは発火点の違いです。枝分かれのない構造の方が斬れやすく発火点が低いです。引火点は逆になります。枝分かれが多いと分子が丸くなりますから気体になりやすいからです。 燃えやすさの違いではなくてエンジンの着火方式の違いから発火点に対する条件が変わってくるのです。 「セタン価が高い方が発火しやすく圧縮だけで着火させるエンジンには都合はいい」、「オクタン価が高い方が発火しにくくスパークプラグで点火するエンジンにとっては都合がいい」ということになります。 セタン価の基準になっている2つの物質は異性体ですから燃焼の反応式は同じです。反応熱もほとんど変わりません。ただ発火点、引火点の高低は逆になります。
お礼
恐れ入りましたm(__)m ものすごくわかりやすかったです。 本当にありがとうございます。