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住所に「郡」や「字」のある理由について
お世話になります。 ○○県××郡△△町 字※※ のような住所がありますが、素朴な疑問があります。 Q1.「××郡」と言っても、郡長・郡議会・郡役場・郡税などの実体はありませんよね。 「郡」にはどのような意味があるのでしょうか? 「市」の中にある「△△町」とは違うと、すぐにわかること以外の存在意義はあるのでしょうか? 公共施設は各「郡」の中に一つを基本とするといったような行政指導でもあるのでしょうか? Q2.地名に「字」が付くと田舎だなぁと思います。 「大字」が付くと本当の大田舎だと思います。 でもこれって見方によっては差別的な枕詞(?)ですよね。 住所に「字」「大字」を付ける意味は何でしょうか? (もしかして地名には「字」「大字」は付かない?) 以上、識者の方がいらっしゃいましたらご教授お願いします。 ずっと昔から疑問に思っていたもので。。(^^;
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A1. 郡の歴史的な由来については既出の通りですが(No.2さんが紹介されている記事が簡潔にまとまっていてわかりやすいと思います),少し補足します。 同じ県内でも,郡が異なると,同じ名前の町村が存在することがありました。このばあい,郡名がないと区別が付きません。 有名なところでは,群馬県に「東村(あずまむら)」が3つありました。 区別のため,たとえば「吾妻郡東村」なら略して「吾妻東(あがつまあずま)」のように郡名とセットで呼んだりしました。 ちなみにあとの2つは勢多郡東村(せたあずま)と佐波郡東村(さわあずま)でした。 ただ,いわゆる「平成の大合併」により,現在は3つともなくなってしまいました。 現在,「同一県内にある同一名の町村」は次の2組だけになりました。 長野県 下伊那郡松川町,安曇郡松川村 岐阜県 加茂郡白川町,大野郡白川村 これらも,群馬県の場合と異なって「町」と「村」のペアですので,本当の意味で郡名が不可欠な組み合わせは消滅してしまいました。 A2. >「大字」が付くと本当の大田舎だと思います。 とお書きですが,もしかして,「字」と「大字」とは同じもので,「田舎度」の高い地域を「大字」と呼ぶのだと思っていらっしゃるのでしょうか? もしそうだとしたら,それは違います。 自治体(市町村)の中を分けた地名が,2段階になっているとき,大きい方を大字と呼び,小さい方を小字と呼ぶのです。 したがって,1段階しかない場合は,字しかないことになります。 もともと,江戸時代の行政組織の最小単位は「村」が基本でした(都市部などを除く)。 この「村」は,たいていの場合,住居がひとまとまりになっている「集落」と,その周辺の土地を指しました。 そして,その村の範囲をさらに分けた地名が存在する場合,「小名(こな)」といったり,「字(あざな)」といったりしました。 明治時代になり,1888年(明治21年)に市制・町村制が実施されると,いわゆる「明治の大合併」が行なわれ,従来の村を幾つもまとめた新しい「村」が生まれました。 このとき,従来の村が「大字」となったわけです。 つまり, 江戸時代: A村 字B だったものが,仮にA村が他と合併してX村になったとすると, 明治の大合併以後: X村 大字A 字B となるわけです。 したがって,明治の大合併を経ていない場合は,A村 字Bのままです。 また,江戸時代の字が明治以降,正式の地名として採用されなかった場合(けっこうあります)は,正式の住所としてはX村 大字Aとなります(単に字の場合もあるでしょうが,一般に旧村名を示す意味で大字になった例が多いかと思います)。 なお,以上の説明ではうんと簡略化して書きましたが,実際には地域によってさまざまなバラエティがありますので,「うちの地域は違うぞ!」という場合も多いだろうと思います。 >(もしかして地名には「字」「大字」は付かない?) これは自治体によりますね。 正式の地名としては「大字A」「字B」と書くのが正しい市町村もありますし,また,意味の上では大字であっても「A」だけが正しい表記というところもあります。 ただ,郵便番号簿など,地名が一覧になっている表の場合,たとえ正式名称が「大字A」であっても,単に「A」としか書かれていない場合が多いです。 また,郵便物を出すときも,正式には「X村 大字A 字B 123番地」の場合,「X村AB123」だけで届く場合が多く,また,番地の振り方によっては(地番設定地域が大字A全体になっている場合)「X村A123」でも届きます。 なお,平成の大合併をした自治体の中に,正式名称を「大字A」から「A」に変更するところが時々見受けられます。 いみじくも質問者さんが書かれた, >「大字」が付くと本当の大田舎だと思います。 というような反応を気にしているのでしょうかね。
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- hazu01_01
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まず、郡は昔の行政区域の名残りです。古代の中国で郡県制という制度がありました。この制度を真似して日本でも国郡制度が8世紀に始まりました。それから長く今まで親しまれてきた制度なわけです。 また、明治政府も藩を廃止し郡県制にするか、府藩郡制(藩は後廃止され権威置き換わります)にするか論議するなどしています。一時期郡役所、郡長、郡会などもありました。 このような政治的な意味合いがなくなってからも、今までの歴史から同一生活圏をひとつの郡、あるいは複数の郡単位で形成するなど政治的、経済的なまとまりとして機能しています。 次に大字や字ですが、これは江戸時代にひとつの集落、村として機能してきた集まりです。村八分などという場合の「村」とはこの集落のことです。今はこの昔の集落を評価しない人たちが多くなってきていますが、社会的な集まりのひとつとして重要なものではないでしょうか。今、人間関係が成立していない、いじめがあるなどというのはこれらの小さな集まりが機能していないためではないでしょうか。 田舎などというようなイメージは確かにありますが、今まで続いてきた人間関係をもっと見つめなおしていただきたいと思います。
お礼
たいへんよくわかりました。 ありがとうございました。 長年の疑問がやっと解けました。(笑)
- lifetide
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Q1:郡というのは「意味がない」と言うのが正解です 昔からあるから今もある、程度です Q2:字と大字は歴史的な起源が違います 字の起源は古く豊臣秀吉の太閤検地?あたりから 集落の単位ごとの名称としてできてきたようです 大字は「明治の大合併」の際に、合併前の地名を大字として 住所表記に残したものです
補足
ご回答ありがとうございます。 ということは「字」も「大字」も住所上だけではなく、地名の一部と考えれば良いのでしょうか?
お礼
「大字」「字」のご説明ありがとうございました。 予備知識の無い私にとって、たいへんわかりやすく納得のいくご説明でした。 はい、正直申し上げて私は「大」の文字を「とっても」の意味と理解していました。本当の意味を知って恥ずかしい限りです。 それと自治体によって、地名に「字」を含めるか否か分かれるというのも、行政指導好き(?)の日本なのに、、と新鮮な驚きでした。 いやはや今回の質問で本当に勉強になりました。 ありがとうございました。