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アブダクションについて
今、科学論を勉強しているのですが、 アブダクションについて、 前提 ある事態Aが生じた。 仮説Hのもとでは、Aがうまく説明される。 HよりもAをうまく説明する仮説はない(だろう)。 結論 Hは正しい(だろう)。 といった感じの認識でいいのでしょうか? もうひとつ、アブダクションの弱点というか、アブダクションの考え方について正しくないという論述があれば教えていただきたいです。 文章自体がわかりづらくなっているかと思いますが、 よろしくお願いします。
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C. S. パースによれば、推論は次のように分類されます。 1.演繹的推論 2.総合的推論 2.1 帰納的推論 2.2 仮説的推論(アブダクション) 演繹的推論とは、規則と事例から結果を推論するものです。三段論法が典型的ですが、推論自体は正しいことが保証されています。ただし、規則自体が間違っていたら当然結論が正しいとは言えなくなります(正しいかもしれませんが)。 規則:この袋に入ってる豆はすべて白い(大前提) 事例:机にある豆はこの袋から出た(小前提) → 結論:机に出ている豆は白い 帰納的推論は事例と結果から規則を推論するものです。 この推論が正しいかどうかは、結局、経験的なものであって、必ずしも保証はされません。 事例:机にある豆はこの袋から出た 結論:机に出ている豆は白い → 規則:この袋に入ってる豆はすべて白い アブダクションは規則と結果から事例を推論するものです。 規則:この袋に入ってる豆はすべて白い 結論:机に出ている豆は白い → 事例:机にある豆はこの袋から出た アブダクションは蓋然性の高い推論であるというだけで、正しいという保証はありません。 しかしながら、アブダクションというのは現代(自然)科学の手法そのものです。 アブダクションを際限なく繰り返すことで現代(自然)科学は発展してきました。 これを否定することは現代(自然)科学を殺すことに等しい。
お礼
ありがとうございました。とてもご丁寧に説明いただいて、分かりやすく理解できました。