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俘虜記について
このたび大岡昇平の俘虜記を読んでみましたがその中で私の中で理解できない部分がありました。 戦争という極限状態の中で結局、何故「主人公」はアメリカ兵を撃たなかったのか? 何回か読み直してみましたが、自己解決することができなかったので投稿させていただきました。 一度この本を読んだことのある方や、自分なりの意見をお持ちである方はアドバイスのようなものでも結構ですので回答していただけると嬉しいです。
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個人的には、 『私は私の目の前に現われた米兵の露出した全身に危惧を感じ、その無用心さにあきれた。 ~・・・・・・・。 この考えの裏は「こいつは射てる」である。』 という箇所に注目したいと思います。 つまり、【相手に対して心理的優位に立っていたから】だろうと思います。 結果として、撃つという意志決定を引き延ばすことが可能だったわけで、そうしているうちに米兵の方が立ち去ったということでしょう。 米兵が明らかな警戒心で自分を探しに来たという印象を受けたとすれば、 また、もっと作者に接近してきていれば、 引き金を引かなかった可能性は非常に低いのではないか、と私は思います。 仮に、宗教的な慈悲心、あるいは道徳的信念といったようなものを認めるとしても、【その瞬間の心理】に決定的な影響を与えたのでないことは確かではないかと思います。