貸倒引当金を計上できるでしょうか

質問

当社は、Ａ組合の銀行借入れについて、連帯保証をしていましたが、Ａ組合が破産したため、Ａ組合の銀行借入金を肩代わりすることになりました。　この銀行借入金は１０年間で返済することになり、Ａ組合の返済能力も皆無です。　
返済分を貸倒損失として計上するほかに、履行していない分に対して貸倒引当金を計上できるんでしょうか？　又できるのであれば、一括評価個別評価どちらでも良いのでしょうか？
宜しくお願い致します

回答No.1

280327

先ず、A組合の「破産」に伴い、貴社では以下の会計処理がなされたものと仮定します。
(借方）貸付金(対A組合）1000/(貸方）借入金(対銀行）1000→元本部分
(借方）未収金(対A組合）　100/(貸方）未払金(対銀行）100→利息部分
次に、貸付金及び未収金の処理ですが、これは、A組合の詳しい状況が文面では不明のため、断定的なことは申し上げられませんが、仮に「破産」が「破産の申立て」をしただけであれば、債権額の50％を個別評価債権に対する貸倒引当金として繰り入れることになります。しかし、「破産終結」まで行っている場合は、民事再生法などとは違って、破産は法律上の債権の切捨てではありませんから、申立て時のように形式的な処理はできません。その時点でのA組合の実質的な返済能力を判断したうえで貸倒損失を計上することとなります。従って、返済能力0と判断されれば、債権の全額を貸倒損失として処理することとなります。なお、ご質問の「返済分を貸倒損失として計上する」ことはできません。貸倒れは返済の状況に応じて発生するものではないからです。また「履行していない分に対して貸倒引当金を計上」することも以上の説明から不可能です。債務については、約定通り銀行に対して返済をする一方で、債権は債務者の状況に応じて上記の処理を実行していくこととなります。

お礼

ありがとうございました