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半導体量子ドットについて
CdSeを用いた半導体量子ドット(QDs)について調べているのですが、CdSe-QDsに比べてCdSをコーティングすると蛍光強度が著しく増大すると書いてありました(波長も赤色シフト)。ここで量子効率(QY)という言葉がでてきて、QYは0.65%→3.7%と増大すると出ていました。QYについて色々調べてみると「発光する光子に対する吸収した光子の割合が量子効率」と出ていますがいまいちどんな数値なのかが分かりません。さらに、CdSコーティングによってどうしてこのように蛍光が増大するのかも分かりません。量子ドットについてこれまでまったく知識がなく、半導体についてもあまり分かっていないので困っています。分かる方がいましたらよろしくお願いします。
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質問者が選んだベストアンサー
QYについてだけは分かりますので、そこだけ回答します。 はっきり言って、質問者さんの書かれたとおりなのですが。 QDが光を吸って励起されます。 今、1個のQDが1光子を吸ったとしましょう。 このとき、蛍光が1光子出たとき、蛍光量子収率は100%です(1個だけだから収率100%とか言うのは変かもしれませんが)。 1個のQDを考える場合は、収率というよりは、蛍光を出す確率と言うべきでしょうか。確率100%で蛍光を出すのがQY100%、絶対に蛍光を出さないのがQY0%。 実際には1個を見るわけではありませんが、例えば1モルのQDがあるときに拡張しましょう。 1モルの光子が1個ずつQDに吸収され、全てのQDが励起されたとします。 このとき、1モルの蛍光光子が放出されれば、QYは100%です。 一方、蛍光が全く出てこなければ、QYは0%となります。 現実には、全てのQDが平等に励起されたりはしませんね。 1モル光子がきて、半分だけ吸収されたとしましょう。 0.5モルの励起QDができました。 このとき、0.5モルの蛍光光子が出てくれば、やはりQYは100%です。 吸収された光子に対して、どれだけ蛍光光子が出てくるか、ということなので、照射した光子数とは無関係です。 測定法は2通りあります。 1.実際に、蛍光光子数をカウントする方法(絶対量子収率測定)。 固体蛍光なんかはこれで取ります。 2.標準物質と比較する方法。 溶液状態だとこっちの方が良く用いられます。 アントラセンとかキニン硫酸塩とか、絶対量子収率が調べられていて、しかも安定した値を出すことが分かっている化合物と比較することでQYを求めます。 フォトン数を数えるのではなく、普通は吸光度からどれくらい光を吸ったかという情報をえて、理論式からQYを求めます。
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- wild_herbs
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おはようございます この材料系には疎いので参考までに まず下記サイトを参考にして下さい 微粒子表面がどのようになっているかは分かりませんが 半導体の表面にバンドギャップとは違う準位が形成されて そこに電子や正孔がつかまると非発光のパスを経て緩和したりします 恐らくそれを抑えるためにバンドギャップの大きな材料で表面を覆い 表面にたどり着かないようにポテンシャル障壁を設けることで まあ要はCdSe内に閉じ込めるって感じでしょうか(界面は・・・分かりません) 長波長化は周りが大気なので非常に強い量子閉じ込め効果が働いてたけれど それよりは障壁層高さの小さいCdSにすることでその効果が弱まって 量子準位が結果的に下がるってことも考えられます あとは粒子の歪みなどの効果もあるかも知れません 参考までに
- 参考URL:
- http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol03_10/vol03_10_p13.pdf#search='CdSe%20ZnS'
お礼
回答ありがとうございました。 難しい話ですがまた色々調べてみます。
お礼
回答ありがとうございました。 QYの説明具体的でとても分かりやすかったです。