明治維新以後の日本の戦争の名称と”戦闘相手国”を古い順に書きます。
(1)台湾出兵(1874年):清 ←ただし、台湾の民兵(ゲリラ)との戦闘のみ
(2)日清戦争(1894-95):清
(3)日露戦争(1904-05):帝政ロシア
(4)北清事変(1900):清
(5)第一次世界大戦(1914-18):ドイツ帝国
(6)シベリア出兵(1918-22):ソ連(ボルシェビキ、赤軍)
(7)山東出兵(1927-28):中華民国(国民政府)
(8)満州事変(1931-32):中華民国(国民政府)、ソ連
(9)第一次上海事変(1932):中華民国(国民政府)
(10)支那事変(1937-45):中華民国(国民政府)
(11)ノモンハン事件(1939):ソ連
(12)大東亜戦争(1941-45):アメリカ、イギリス、オランダ、オーストラリア、ソ連
第一次世界大戦について:
日本は、日英同盟の関係で、ドイツとオーストリアの敵国となったが、戦闘した相手はドイツだけだった。
大東亜戦争について:
・インドなどアジアの諸地域は欧米の植民地であって独立国ではなかったため”戦闘相手国”としなかった。例えば、イギリスの植民地だったインドの人は宗主国イギリスの兵隊として日本兵と戦ったのでインドを”戦闘相手国”としなかった。同様にインドシアはオランダの植民地だった。フィリピンはアメリカの植民地だった。
・前記の5カ国のほかにも大東亜戦争で日本に宣戦布告した国は多数に上るが、日本側は宣戦布告しておらず、また、戦闘も行わなかったため”戦闘相手国”としなかった。
支那事変について:
支那事変は、1937年に日本と中華民国国民政府との間で行われた戦闘だが、初め、両国共に宣戦布告しなかった。1941年に至って相手は日本に宣戦布告したが日本は最後まで相手に宣戦しなかった。
大東亜戦争の名称について:
日本政府の正式名称である「大東亜戦争」には、1937年に始まった支那事変も含まれる。「支那事変を含めて大東亜戦争と呼称する」(1941年12月12日、日本政府閣議決定)