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フライパンを熱してから油をひく原理
フライパンの使い方の常識として、「熱したフライパンに油」というのがあります。 油を入れてから熱するのと、原理としてどうちがいがあるのでしょうか。
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今週は忙しくて料理できなかったのですが、先ほどやっと実験できました。なかなか興味深い結果が得られました。材料は前回と同じ豚バラです。実験で変えた条件は、 1. 鍋の表面の材質(たわしでよくこすったあとか、酸化膜があるか) 2. 油を入れるときの鍋の温度 3. 油の量 4. 材料を入れるときの鍋の温度 の4つです。 さて、前回まで、鍋表面に酸化膜が形成されていて、高温で材料を入れたときは、油を入れるときの鍋の温度に無関係にくっつかないことを報告しました。今回、酸化膜をとるために、研磨剤つきのたわしでゴシゴシこすって、キッチンペーパーで水気をざっとふき取り、そのまま10分程度自然乾燥させた鍋を用意しました。火にかける前に油を投入し、よく鍋を熱してから材料を投入しました。鍋表面は火にかける前にあらかじめ油で覆われているので、酸化膜の形成はある手程度阻害されているはずです。結果は・・・、全くくっつきませんでした。 したがって、私の仮説はウソだということがわかりました。もしかすると、鍋さえ熱ければ油の有無とは関係なく十分な酸化膜が形成されるので、実際上は油を引く前に酸化膜を形成させることに神経を使う必要はないということかも知れません。 いずれにせよ、この結果は、材料を投入するときの鍋の温度が重要であることを示唆しています。そこで、もっと厳しい条件にするために、鍋を徹底的に洗った上で油を全く敷かずによく熱し、材料を投入しましたが、やはりくっつきませんでした。もっとも、豚バラの場合、自分自身が油を出すので、この結果から油の効果を云々することは出来ませんが、いずれにせよ、油を入れる温度よりも材料を入れる温度の方がずっと重要だということが示唆されます。 そこで、温度の効果を確認するために、鍋を火にかける前に材料を入れてみました。その結果、油の有無、酸化膜の有無にかかわらず、必ずくっつくことが判りました。つまり、鍋に材料をくっつけないようにするためには、上記の4つの条件のうち4、つまり、鍋をよく熱することがもっとも重要な要素であることが明らかになりました。ですから、ご質問の「常識」は(少なくとも物理的プロセスに関しては)「迷信」だということですね。これは私にとっても以外でした。 ではその背景にある科学は?というと実は良くわかりません。豚バラの場合常に油があるので、油と鍋との結合力が高温ほど強くなる、というstarfloraさんのモデルで結果は説明できそうですが、高温になればエントロピー項が効いて自由エネルギーが下がりますので、鍋と油分子との間に化学反応が起こらない限り結合が強くなることはあり得ないように私には思えます。間違っていましたらご指摘ください。私自身はたんぱく質の場合、熱が加わると変性して凝固しますが、その過程が長ければ鍋表面の微妙な凹凸と固着してしまうのではないかと今は想像しています。鍋が熱ければ、肉表面はあっという間に凝固しますからくっつきません。ご飯のようなでんぷん質の場合も、糊化したくっつきやすい状態から、表面が固まる、もしくは油で覆われた状態になりやすいため、鍋が高温の方が良いのだと思います。いずれにせよ、単なる潤滑や吸着の問題ではなく、化学反応も介在しているので事態はちょっと複雑ですね。 ちなみに、くっついたものをあまりきれいに洗わなかった場合、高温にしてから材料を入れても、油をたっぷり入れても、くっつきました。温度以前に鍋を良く洗って綺麗にしておくことは重要です。その点では「鉄鍋を洗剤で洗ってはいけない」というのは迷信だと思います。もっとも洗ったあとの表面は非常にさびやすいので、よく熱して保護膜としての酸化膜をつけ、油を薄く引いておくことは重要です。
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- protozoa
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経験上、フライパンを熱してからの油を入れたほうが、油が広がりやすいような気がします。 単純に、温度が高い方が油の粘度が下がって、広がりやすくなるのかなと考えていましたが、いかがなものでしょうか。
お礼
ありがとうございます。 ホットケーキなどは、薄く引かなくちゃいけないのですが、野菜炒めなどは、そこそこの量を入れるので、先に入れてから温めても、どうせ野菜を入れるときにはフライパンも野菜も温まっているから同じじゃないか?というのが疑問だったため、(たしかに油の粘度が温まると低いのは経験しているのですが、) 質問させていただきました。 (※4のお礼で「ありがつ」になっていました。申し訳ありません)
- physicist_naka
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私は料理はあまりせず、物理の知識のみに基づいて回答しますので、 間違っている可能性が大きいと思ってください。 フライパンの表面には、酸素分子、窒素分子、水分子等が付着しています。 あらかじめ温度を上げてやると、これらの分子は蒸発して、フライパンの 表面は、綺麗になります。こうしてから油を注いでやると、フライパンに なじみやすくなります。 しかし、温度を上げる前に油を注ぐと、汚れたフライパンの表面の上に 注ぐことになり、フライパンになじみにくいと思われます。 また、この汚れは温度を上げても落ちにくいと想像されます。
お礼
私も、まったく物理的原理がし知りたかったので、そういうご回答がありがたいです。 熱でフライパンの表面を綺麗にする、ってのは、なかなか説得力があります(私が説得されてるんだ・・)ね。 これだと、油を入れてから熱するのとたしかに違いが出そうです。
- shadoworks
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(・・・真面目な答はもう出終わってますね・・・) 原理はともかく、我が家はホコリだらけなので、なべやフライパンは水で軽く洗ってから使いますが。 水分を飛ばしてから油を入れないとひどい目にあいます・・・あちちちち(材料の水気を切り忘れた)。 おまけ: 油を使わずに調理するときは、水分が沸騰し出してから具を入れないとこびりつきます。厚い鉄板なら表面から発生する水蒸気の圧力が保てるでしょうが、家庭で普段調理するなら、材料に熱が通りそれ自身水蒸気を出すまでフタで温度の低下を防いでください。 量が多い時は材料ごとに調理し最後にまとめます。
お礼
ありがつございます。我が家もホコリでいっぱいです。 水が残っている時に油を入れたら大変ですね。
- Rikos
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テフロン加工されたフライパンは空焼きできませんが、鉄製のフライパンはよく熱してから油をひくことで、フライパンの温度が下がらずに高温が保て、油馴染みも良いです。 油を効率よく手早く温めるために、先にフライパンを熱しておくのだと思いますよ。
お礼
ありがとうございます。 やはり「馴染み」ですか。 温まったフライパンに冷たい油を加えるのが、熱効率としてはいいとは思えないのですが・・。温度差があったほうが馴染むのでしょうか。
栄養学的には#1の方のような理由があるのだと思いますが、ほとんどの人がそれに従うのは、その方が料理するうえで都合がいいからです。 まず第一に、最初にフライパン(つまり金属)だけを熱するので早く温まるという点。 もう1つは、温まってからの方が油が素早く全体に馴染むという点です。 やってみれば分かると思いますが、熱してないフライパンのうえでは、油はドロッと流れ、全体に油を回すのはちょっと大変です。 フライパンが温まってからだと、油は素早く温まるのでサラッと流れます。
お礼
ありがとうございます。 最初の説ですが、どっちみち、野菜をいためる時点ではフライパンも油も温度が高くないといけないので、最初にフライパンだけ暖かくなってもトータルでは変わらない(むしろ最初から油を入れたほうが温度差がないぶん、熱ロスがわずかに少ないと思うのですが・・。 2番目についても、野菜を入れる時点ではフライパンは温まっているのだから、その時点で油を回しても同じじゃないか・・?という疑問なのですが・・。
私は油を長時間熱していると酸化が進むので、(加熱している時間を短くするために)熱したフライパンに油をいれた方がよいと理解しています。 天ぷら油などはそう言うわけにも行きませんので、一度使うと酸化が進んで傷みます。オリーブオイルは酸化を抑制する作用があるので、天ぷら油に加えておくと、酸化が進みにくくよいのですが、お値段が、、、、 酸化した油は食べたときに油臭くもたれた感じになります。 と、理解していましたが、自信はないので、他の回答者のご意見も参考にして下さい。
お礼
ありがとうございます。 熱してから油を引かないと焦げ付きやすい、というのがあるのですが、酸化によるのでしょうか。
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お礼
何度も実験していただいて申し訳ありません。 (じつは、No.254298の質問でも実験しなくちゃ、と思いながら、実験装置を作れずにいます。GWの間に何とか・・) 「よく熱したフライパン」というのが、ポイントですね。 瞬間的に、ジューッと水分が沸騰する事で水蒸気の層が出来て、肉と鉄の間に隙間を維持しているうちに焼けてしまうのでくっつかない、ということもあるでしょうか。 豚バラ肉ですが、これ自身、脂(いわゆるラードになりますね)をもていますので、「熱していないフライパンに豚肉」というのは、「油のあとで熱する」状態に近いような気がするのですが、あたたまる前に肉とフライパンが接してはいけないわけだ・・。 フライパンさえ熱ければ、油は後先かんけいないとすると・・・? あと、「油の酸化」説があるのですが、料理人の作業を見ていると(TVなどで)、 中華鍋を熱してから、お玉で油をすくって入れて、鍋があつくなったら、また油を容器に戻しています。加熱する油の量が、実際に使われる油の何倍かになるわけですが、もどした油は、またあとで使うわけでしょう。(捨てるんなら別の容器に入れるはず) すると、加熱で油が酸化することを危惧するにしては、逆の行為をしている事になります。加熱した油をもどすということは、酸化した油を混ぜることになる訳ですから。 これを考えると、「酸化」もどうかな・・。