数年前にマクロビオティックの本場、ボストンでの創設者が開いていた(今も後継者がやっていると思います)合宿に参加しました。私は米国で栄養士をしているので、患者への参考になるアイデアやダイエットはなるべく体験してみることにしています。ですが、2週間の合宿ではっきり言って空腹でふらふらになり、気絶するところでした(笑)。創設者の講演が予定されていましたが、あいさつだけで(痩せてガラガラだった)他の人が話をしました。私自身、普段から小食ですが、それでもあの仙人食ではやっていけない、と感じました。私が思うに、アメリカは日本の方々とは比較にならないほどの量を食べます。ケーキでももともと大きなサイズの円を日本なら8分の1のサイズに切って食べるところを、アメリカは4分の1のサイズを食べる、といった感じです。すべてがスーパーサイズです。ですから、マクロビオティックのような小食、粗食が逆に新鮮で、ハリウッドの女優たちにもてはやされているのだと思います。
マクロビオティックは利用できる部分とあまり合意できない部分があると思います。たとえばマクロビオティックはトマトを食べない、というルールがあります。最近の科学的データでトマト、とくに調理したトマト(トマトソースなど)にはすばらしい抗酸化作用、抗がん作用のある栄養素が入っていることはお聞きになっていることと思います。玄米は手軽な繊維質源ですし、ある程度の蛋白質も摂取できます。しかし魚や少量の赤肉類は必要だと考えています。すべてバランスだと思います。
亡くなった人の原因を探るなど不謹慎とおっしゃいますが、そんなことないと思いますよ。当然でしょう。こちらでは最近、肉類などの蛋白源ばかりを食べてやせる、というダイエット法で有名になったアトキンス・ダイエットの創設者が早死に(やはり70そこそこ)して、後継者は死因は転倒死であると必死にカバーしていました。ところが、本当は高血圧、コレステロールともに爆発状態だった、ということは誰もが知っています。
「これだけ食べれば大丈夫」といった食事法は危ない、と思うべきだ、と私はいつも患者さんに提唱しています。食事、運動、休息(ストレス・コントロールも含めて)のバランスが健康維持の近道(でも長い道のりです)です。
お礼
専門家さまからの回答嬉しく思います。 >マクロビオティックは利用できる部分とあまり合意できない部分があると思います。 同意です。良いところを取り入れて行こうと思います。 今は長寿の方の食事内容を調べてみたりしています。 ありがとうございました。