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木材の自然乾燥、燻煙乾燥、蒸気乾燥
木材を乾燥するにはいろいろな種類があるみたいです。 自然乾燥、燻煙乾燥、蒸気乾燥のデメリット、メリットを教えてください。 (1)自然乾燥が一番よいのでは?ただ十分に水分が抜けないと聞きました。 (2)燻煙乾燥は十分な技術がないところが多いとか、臭いと聞きました。 (3)蒸気乾燥は燻煙乾燥より木材の強度が弱いと聞きました。
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木材は乾燥し細胞壁の中の水分が出ていくと、それに伴い細胞壁が縮みます。そのため材料全体の寸法が縮みます(材質により異なりますが、例えば100mmの巾の板であれば95mm程度まで収縮します) 自然乾燥の場合は周りの大気の湿気と平衡するところまでしか乾きません。しかし建物の中は空調されていますので屋外よりも乾燥しています。故に、建物の中へ持ち込むと何年も乾かしたはずの木材がすぐに収縮したり割れたりすることになります。これが自然乾燥の欠点です。しかし自然乾燥は時間をかけて乾燥するので時間をかけて収縮することになりますから、材料を無理なく乾かすことができます(製造業者から言うと手間と時間はかかるが不良率は少ないと言うことになります)。 蒸気乾燥は量産商品では最も一般的に行われている価格が安く性能の安定した乾燥方法です。この方法は木材に高温の蒸気を当てると木材内部の温度が上がり、そのために木材内部にあった水分が熱せられて木材の外に出てくると言うものです。木材の温度が十分上がったところで、蒸気を止めますと、木材内部の水は外に出ますが、この時、まず表面の方が先に熱せられますから、表面が先に水分が出ていき、内部は水分の出るのが遅れると言うことになります。そうすると内部は収縮しないのに外部は乾燥して収縮すると商品がひび割れだらけになります。そうならないように木材の周りの湿度が低い場合は蒸気をあてて、木材がひび割れないようにします。つまり蒸気乾燥のメリットは木材を高い温度にしながら、ひび割れをおこしにくい方法と言うことになります。デメリットとしては蒸気を媒体として熱を木材に伝えますのであまり厚みの厚い材料は(例えば住宅の桁や梁など)なかなか中まで完全に熱を伝えにくく、乾燥するのが難しいと云うことになります。尚、含水率の差のある木材を一緒に蒸気乾燥をすると、過乾燥の材と反対に未乾燥の材が出来上がってしまうので、それぞれの材の含水率を同じにするために、何ケ月か天然乾燥をした後、蒸気乾燥をするのが一般的です。 燻煙乾燥は熱媒体として蒸気を使うのではなく煤、つまり炭素を熱媒体とする方法です。炭素は水よりも熱伝導率が高いので熱を効率よく伝えることができますし、すすの成分が木に染み込みますので防虫防黴の効果があると言われています。(燻煙乾燥をされているメーカーのデーターではJISで規程されている腐朽テストをしたものがなく、他の処理の材との腐朽度合いが比較できませんので、断定はし難いところです) 蒸気乾燥は燻煙乾燥より木材の強度が弱いとのことですが、このような話は聞いたことがありません。しかし考えられるとすると。木材は通常伐採されてから100~200年かけて強度がアップしていきます。燻煙乾燥はこの進行過程を早くしているところがありますので、その意味では強度もアップするかもしれません。但し、我々の感覚では燻煙乾燥されたものは内部応力が取れ、非常に安定した木材になっていますが、強度的には通常の乾燥材よりも弱くなっている気がします。 燻煙乾燥された木材のメリットは内部応力が取られていること。つまり狂いやそりがなく寸法の安定性あると言うことが第一です。デメリットはまだ一般的ではないこと。防腐や防黴の効果はあるかもしれないが実証が充分ではないことでしょう。
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- kinoki1
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木材の不良は乾燥による細胞の収縮です。木にとっては端から収縮しても真ん中から収縮してもどちらでも良いのですが、真ん中から収縮すると「割れ」になり人間が不良としてしまいます。それから木材は年輪の縦と横で収縮率が2倍違います。細かい説明は省略しますが、このために木は木表側に反ると言うことになります。木材を急激に乾燥させた時には内部と外部の収縮率が異なりますのでこれらの不良率が高くなります。 コストについての質問ですが、一概に言えません。手間と土地が安いところでは天然乾燥は安いでしょぅし。反対のところでは人工乾燥の方が安いでしょう。熱源として木材のチップを使うアメリカでは蒸気乾燥が安いでしょうし、不良率をコストに勘案すると高周波乾燥の方が安いでしょう。又、NO2さんが答えておられるように「乾燥方法から材料を選定し家造りをする方法は現実的には難しいです」と言うことがありますので、これらをあまり議論しても仕方がないところがあります。大切なことは、木材を乾燥させたものは、狂いが少なく、寸法精度の高いものが作れること。木材が割れたからと言って現実の強度上は問題ないこと。以前花博の政府館を作る時に間伐材を人工乾燥すると100%割れが発生しますが、それが強度上容認できるものかどうかの試験をしたことがありますが、割れが発生しても強度上の問題はないと言うことが分かり、割れについては当時の建設省の検査基準が大幅に緩和されたことがありました。含水率が高く割れが発生していな木よりは、割れが発生していても乾燥している木の方が良いと言うことでしょう。ただこれは見栄えのことについては考えていません。もし見栄えを考えるとなると一般的にされているようにムク材の柱の裏に背割りを入れて強度を落としても見栄えを優先することになります。
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すごく詳しい説明ありがとうございました。 見栄えは全然気にしてないので割れてても強度あればokです。 人工的に乾燥する方法は特に差がないってことでいいのでしょうかね・・・?
- tom0014
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以前製材業界にいたものです。 乾燥方法に関する回答はNo1さんの通りです。 ただ実際の話、乾燥方法から材料を選定し家造りをする方法は 現実的には難しいです。 乾燥方法と家の寿命と因果関係があるとは思えません。 含水率は影響あるかもしれませんが・・・。 また外材等樹種によって乾燥方法が選べない場合がありますし (KD材として輸入されるため) 乾燥がむずかしい樹種もあります。 参考までに国内最大手の中国木材のHPがありますので ご参考までにご覧ください。 商品情報>ドライビーム なお、別にドライビームを薦めているわけではありませんので 念のため。 (といっても私自身工場見学していますし、社長ともお会いしているので多少はありますが・・・。)
お礼
早速のご返事ありがとうございます。 自然乾燥が不良率少ないとありましたが、木材にはどんな不良があるのでしょうか?割れとか・・? 教えていただけたらうれしいのですが・・・ 自然乾燥後室内に入った木材が割れる音がすることがあると聞いたことがあるのですが、構造に問題ないものでしょうか。 あと、コスト的にはどんな順序になるのでしょうか? ある工務店の回答に、 「よく使用する寸法の梁材に関してはあらかじ め天然乾燥をさせています。 それ以外に関しては爆砕高周波減圧方式の人工乾燥をある程度行い、その後天然乾燥を行います。」 とありました。どうでしょうか・・? 何がいいのやら・・・ 長年住もうと思っている家なので、是非!教えてください! よろしくです。(@^0^@)