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固定した磁石に超伝導体を近づけた時に、超伝導体が空中で落ちずにぶら下がる現象について
昨日、テレビで放送されていたのですが、固定した磁石に超伝導体を近づけると、超伝導体は空中で落ちずにぶら下がり左右に動いていました。 この現象を不思議に思ったのでインターネットでいくつか調べてみると、「超伝導体は磁石の磁力を通さず反発する」というようなことが書いてありました。このことで、超伝導体が空中で落ちずにぶら下がる現象をさらに疑問に思いました。なぜなら、超伝導体は磁石と反発するし、ましてや重力も働くからです。なぜ、超伝導体は落ちないのでぶら下がっているのでしょうか? 上に書かせていただいた「固定した磁石に超伝導体を近づけると、超伝導体は空中で落ちずにぶら下がり左右に動いていた」現象は、どのように理解すれば宜しいのでしょうか? どなたか、ぜひアドバイスいただければと思います。宜しくお願い致します。
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超伝導体に磁石を近づけると磁石と反発する方向に超伝導体の中を電流が流れて反発します。この現象が有名なので、「超伝導体は、磁石に反発する」と覚えているのではないでしょうか? 逆に超伝導体から磁石をはなそうとすると、引っ張る方向に電流が流れるので、磁石を引っ張ります。 つまり、超伝導体の中では、磁石の動きを妨げる方向に電気が流れるのです。 超伝導体でなくとも導体では同じ効果はあるのですが、超伝導体には抵抗が無いので、流れる電流量が圧倒的に大きくなるので、磁石が浮き上がったりするのです。
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- foobar
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「超伝導体で懸垂浮上ができる理由は?」というご質問からちょっとそれてしまいますが、、 ・マイスナー効果(内部の磁束を排除する完全反磁性)が現れるのは、かなり磁界の弱い領域で、磁気浮上が起きる程度の磁界の強さは、マイスナー効果の臨界磁界強さを越えた領域になってる。 のだとか。 現象としては、 完全反磁性だと水平方向の安定性を説明しにくい (科学館などの展示にある、レール(?)に沿って走る浮上模型の左右安定性を説明できない) というのが出てきて、さらに、反磁性による浮上に対する非常に強い反例としてご質問に有るような懸垂浮上が示されてきたかと思います。 このあたり、最初(?)にマイスナー効果による浮上と言う説明に異を唱えられた先生(多分、leo-ultraさんが#3回答で触れられた先生)が書かれた一般向けの解説書があったと思います。 (書店で見た記憶はあるのですが、出版社などを憶えていないので、、申し訳ない)
- leo-ultra
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#3です。 footbar様、これがマイスナー効果が原因でないという理由はどうしてですか? このテレビ放送の場合はよくわかりませんが、昔、大学の一般公開でやった浮遊実験は、コツがあって、 1)浮かす方は磁石で、大きめの超伝導体セラミックスを作り、その一部は常に液体窒素に付けておく。 反対に超伝導体を浮かすと、すぐに暖まって、落ちてしまう。 だから、まず磁石は遠くに置いて、液体窒素で冷やします。(零磁場冷却) 2)その後、磁石をやさしくのせる。(決して、超伝導体に押し付けたりしない。つまり強引に磁場を通すようなことはしてません。) 磁束は通ってないと思うのですが。
- foobar
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若干コメント #1さんの回答は、必ずしもマイスナー効果によって説明しようとしているのではなさそうな気がします。(何処にも、超伝導体内での磁束が0とは書かれてませんし、磁石が離れるときの吸引にも言及されてますから) 超伝導体内の磁束保存による浮上も、超伝導体内の電流で説明すると、#1さん回答のようになります。(磁束が保存するように電流が流れる) 常伝導体の磁気浮上 常伝導体の場合には、電気抵抗のため誘導で生じた電流がすぐに減衰してしまいます。(で、磁石がゆっくり離れる程度の変化だとあまり電流が流れない) ただし、電流が減衰する速度よりも充分早く磁界を変えてやると、それなりの電流を誘起することができて、磁気浮上できるのだとか。 (アルミ製の軽い球の下側に交流電磁石をおいて、交流磁界をかけてやると、アルミ球内に誘導電流が流れて反発浮上できるのだとか)
- foobar
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#2補足 超伝導バルク内に磁束をトラップさせるのは、磁場中で冷却する以外にも、 ・冷却した超伝導材を強引にある程度強い磁場中に持ち込んでやる(簡単には磁石に超伝導体を押し付ける) という方法もあります。 ただ、この方法だと ・均一に磁束をトラップさせることが難しく(押し付け方に結構コツがいるらしい)斜めに浮くようになったりする ・磁束を強くトラップできるような(良質の?)超伝導材だと、冷却後に磁束を入れることが難しい。(強磁場中にいれようとすると強い反発力が出る。このため、上記の不均一な磁束トラップになりやすい) という難があるのだとか。 「ピン止め自体、超伝導の欠陥の部分に磁束を閉じ込めるのに、欠陥周辺の反磁性が効いているので、広い意味では『反磁性』で浮いている、と言える」、というような説明もあるようです。
- leo-ultra
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#1さんと#2さんは一見同じようなことを書いていますが、まったく違うことを書いています。 #1さんはこの現象は完全反磁性効果(マイスナー効果)のためだと書いています。第1種の超伝導体でも第2種の超伝導体でも起こる現象です。 #2さんは第2種超伝導体の磁束のトラップが原因と書いています。さらに磁場中冷却をしなければダメだと書いてあります。(後半は怪しい?) 実はこの実験は有名な実験で、二十年位前に酸化物超伝導体が発見された当初、大学の物理学科などでは、大学の学園祭などの研究室の公開で、よくやられた定番実験でした。 当時の説明はマイスナー効果でした。しかし超伝導が専門の若い先生がふと「あれはマイスナー効果が原因といっていいのかどうか」。その時の説明は僕には理解できませんでしたが、#2さんが言ったようなことかもしれません。 しかし記憶が正しければ、#2さんの言うような「磁場中冷却」なんてやらなくても実験はうまくできましたよ。 結局どっちが本当なのでしょうか? だれか教えて下さい。
- foobar
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超伝導体(正しくは第二種超伝導体というほうがいいのかな)は、内部の磁束を保存する性質(ピン止め効果)があります。 このため、磁石に近づけて磁束が増えたときは反発の力が。磁石から遠ざかるときには吸引の力が働きます。 このため、磁石の上側、下側どちらでも浮上保持ができます。(左右にずれそうになったときも、同様に中心に戻す力が働きます) (反発だけだと、磁石の上側でも左右の安定が出なくて、安定に保持することが難しいです。左右どちらかにずれたときに、そのままコロンと外れてしまいます。) 実際に実験するときは、超伝導内部に磁束を固定するような操作(例えば、磁界中で冷却する)が必要です。