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高分子の強度
高分子溶液を紡糸して繊維とした場合、 最後に熱延伸することで結晶化が進み強度が上がりますが、 その後でテンションをかけずに加熱すると緩和収縮します。 すると強度が下がるのですが、ここで教えてほしいのは (1)収縮して強度が下がるのは結晶化度が下がるから? (2)収縮するのはなぜ?(ゴムの場合-S-が分子間で架橋をなして 分子鎖同士を滑りにくくして、延伸すると無理やり引き伸ばして エントロピー減少した状態。加熱すると分子運動が激しくなり 復元力が増すとありますが・・。対象の高分子も一部架橋化して いるかもしれませんが、他に考えられることがあれば)
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収縮して強度が下がるのは、結晶化度が下がるからではなく、延伸して並んでいた結晶の配列や分子鎖の配列が、乱れるからだと思います。 同じ結晶化度のポリマーでも結晶が配列した方が強度は強くなります。 加熱している温度は、融点よりも低く、ガラス転移温度よりも高い温度だと思います。 よって、非晶部分の分子が動いて配列が乱れたりする訳ですが、この時にエントロピーが増加する方向に進んで、収縮します。 伸ばして、セットしていた状況が温度が高まる(ガラス転移温度よりも高くなる)事によって解放されるからです。 結晶の部分が架橋点のように挙動しますので、対象のポリマーが化学架橋されていなくても、このような挙動となります。 ガラス転移温度よりも高い状態で、非晶部分が示す弾性挙動は、エントロピー弾性です。 エントロピー弾性は、基本的に温度の上昇により弾性率が上昇します。
お礼
非常に明快で分かりやすいご回答ありがとうございます。参考になりました。