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限界生産力逓減の法則

こんにちは。 資格試験で経済一般知識を勉強しています。時間がなくテキストを読むしかできないので深く調べられないため教えて下さい。 普通大量生産した方がコストが下がるのが一般的であるのに、限界生産力逓減の法則が成り立つと仮定されるのはどうしてなんでしょうか。 理論上生産の増加に伴い追加的に負担する限界費用が次第に大きくなることを表す、とあるのですがなぜ現実とは違う理論を仮定するのでしょうか。 よろしくお願いいたします。

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  • gootttt
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回答No.4

>普通大量生産した方がコストが下がるのが一般的であるのに、限界生産力逓減の法則が成り立つと仮定されるのはどうしてなんでしょうか。 同じ問題でちょっと悩んだものとして答えさせてもらいます。 これは個々の企業として考えるよりも、社会の産業全体として考える問題です。 確かに小規模でしたら、大量に作った方が低コストで作れます。 しかし生産要素(土地、資本、労働者、原材料)は大抵の場合有限です。ですので一定以上の大量生産になるとコストは次第に上がっていきます。 最も分かり易い例は農業でしょう。 確かに、米を作る場合もある程度の量を作る方が簡単に作れます。最初に開墾した田は全て使い切ってしまった方が安く出来るのは当然です。 しかし、ある程度以上の米を生産する時はどうでしょうか?一番最初に作った田を使い切って生産できる以上の米を生産する必要があるなら、新たな田を開墾しなければいけません。 しかし、最も良い土地は最初の田に使っているはずですから、二番目の田は最初の田より、日当たりが悪かったり、家から遠かったり、生産効率が悪いはずです。 二番目はまだマシだったとしても三番目、四番目はどんどん条件が下がっていくはずです。ですから限界費用はどんどん上昇するというのが基本的な考え方です。 石油で例えれば、石油の消費量が少ないなら、生産側は掘りやすい油田だけを安く掘ります、その結果提供される石油の価格も低い水準になるでしょう。しかし消費量が多いならば、海底油田などの掘りにくい油田を高いコストをかけて掘る必要があるので、価格も高い水準になるわけです。 自動車で例えるならば、個々のメーカーで考えるのではなく、自動車産業全体として考えてください。 自動車を作るには組み立てる労働者、自動車工が必要です。 しかし、自動車工は無限にいるわけではありません。今までの給料水準で自動車工になりたい人間は、大抵既に自動車工になっていますから、これから新たに自動車工場を立てるには、今まで以上の高い給料で自動車工になりたい人間を集める必要があります。 ですから自動車の国内生産をこれ以上増やすと限界費用が上がってしまうので、日本の国内メーカーは海外移転を進めているわけです(勿論それだけが理由ではないですが)。 ただこの考え方は随分昔に出来た考え方なので、この考え方が通用し難い産業もあります。 その良い例がコンピューター業界や製薬業界です。 窓のようなOSや新薬などですね。 固定費用の開発費が生産費の殆どを占め、限界費用が極端に小さいので、これらの製品はまさしく作れば作るほど安くなります。 そのくせ開発費が高いため参入障壁が高く、独占企業が好き勝手に出来てしまう困った産業なわけです。

kirakiramm
質問者

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ご回答ありがとうございます。 つまり、大量生産のために今までの生産と全く同じ質の物がプラスされるわけではないからコストがかかるということなんですね。 いくつもの例を挙げていただいてなんとなくわかってきたように思います。 最後のこともとてもわかりやすいです。

その他の回答 (5)

  • at9_am
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回答No.6

とりあえず、この手の話を教えているものです。 理論を理解するよりは単純に問題を解けるようになった方が良いですよ、とアドバイスしつつ。 まず、生産コストは二つに分けられます。固定費用と可変費用です。 固定費用とは、例えば工場の地代などで、生産量に関わらずかかってくる費用です。対して可変費用とは、材料費のように、可変費用にともなってかかる費用です。 例えば1坪の工場を借りて、この工場で、100個の「ブツ」を生産しているとしましょう。その地代は月に10万円だとします。この10万円は固定費用です。 対して、例えば50個しかブツを生産しなければ、材料費も人件費も半額になるというように、生産に使われる材料や人件費は生産量に応じて支払われます。 さて、この工場で200個のブツを製造したいと考えたら、どうなるでしょうか。たった一坪の土地しかないので、各個人の生産は(他人を避ける必要があるので)小さくなるのが分かるでしょう。これは、狭いキッチンに複数人が料理しようとしている図を思い浮かべれば近いものがあると思います。 ということで、生産設備が一定であれば、段々と「もう一単位生産力と投入したときの生産量」が減っていくという意味で、限界生産力逓減の法則は成り立っています。これは、生産者の能力の差があろうとなかろうと、なり立ちます。 因みにこの説の大元は、リカードの時代にまでさかのぼれます。その時代の説明は主に農業を意識したもので、良い土地から耕作されるので、段々悪い土地に耕作されるために生産力も減っていく、という説明でした。 もう一つ言えば、限界生産力が逓減する産業もあります。経済学的に言うと「規模の経済」などと言われますが、例えばPCのOSなどはそうですね。ここまでの議論から言えば、開発に必要な費用=固定費用であり、可変費用はほぼゼロなので、売れば売るほど儲けが出る、といったところでしょうか。

kirakiramm
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 そうなんです。試験にもあまり関係なく言葉として覚えておけばよいのですが何かひっかかってしまいました。 例えもとてもわかりやすく、リカードの時代のお話も大変納得できました。

  • gootttt
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回答No.5

もう少しだけ、補足で説明させてもらいます。 まず生産者の能力が違う場合 前回の例えでは生産者の能力は一律だと仮定していましたが、実際にはそんなことはありません。今回は生産者の能力の違いによる、限界生産費の逓増を説明します。 優秀な生産者が低コストでモノを作れたとしても、一つの生産者が作れる商品の数には限りがあります。優秀な生産者が作る事が出来る以上の数の商品を消費者が求めている場合、優秀ではない生産者が作った商品を高い価格で購入する必要があり、その結果、価格は上昇します。 自動車で例えます。 自動車の性能は企業も一律だとします。 また企業は車の製造費以上の価格ならば、作れるだけの自動車を販売するとします。 とても優秀なトヨタは80万円で自動車を作れ、工場をフル稼働すれば一年に1000台作れます。 優秀なホンダは90万円で自動車を作れ、工場をフル稼働すれば一年に1000台作れます。 そこそこのニッサンは100万円で自動車を作れ、工場をフル稼働すれば一年に1000台作れます。 効率が悪いミツビシは110万円で自動車を作れ、工場をフル稼働すれば一年に1000台作れます。 さて消費者の方は 1000台買うには、トヨタだけから買えば良いのですから、80万円で買えます。 2000台買うには、トヨタとホンダから買う必要があります、ここでホンダから車を買うには最低製造費分の代金を支払う必要があるので、90万円で買わなければいけません。当然ホンダの車を90万で買うのなら、トヨタの車も90万で買うでしょうから車の価格は90万円になります。 3000台買うには、トヨタとホンダとニッサンから車を買う必要があります。ここでニッサンから車を買うには最低製造費分の代金を支払う必要があるので、100万円で買わなければいけません。(以下略で)車の価格は100万円になります。 4000台買うには、トヨタとホンダとニッサンとミツビシから買う必要があります。(以下略で)車の価格は110万円になります。 このように生産サイドに沢山生産してもらいたい場合は、優秀でない生産者にも生産してもらう必要があり、その結果、生産者の能力の違いによっても限界生産費が逓増し、その結果市場価格も上昇するわけです。 また前回例えたような固定費が高い為に作れば作るほど平均生産費が下がる商品があります。 (正確には下がるのは平均生産費であって、限界生産費は一定なのですが今回は置いておきます) しかしOSや薬などは独占的な商品のため、生産費の下落が市場価格に反映されにくいので分かり難くかったと思います。 当然世の中には作れば作るほど平均生産費が下がり、その結果市場価格も下がる商品もあります。代表的な商品はICなどです。 ICなどは研究開発費や生産設備などの固定費がとても高く、限界製造費が小さいので作れば作るほど、平均生産費が安くなります。その上OSなどと違い、競争が激しいので市場価格は平均生産費に近い水準まで下がります。 ですので当初一個数十万円もしたICチップは、市場が広がるにつれ売れれば売れるほど安くなり、安くなった価格は更に市場を広げ、その結果更に安くなり、今では100円で電卓が買えるというわけです。 思い切り余談です。 ICを作ったのはアメリカですが、それを電気釜や扇風機にもICを使ったにも応用し、市場を飛躍的に広げたのは日本です。アメリカがなければコンピューターの誕生は遅れていたでしょうが、日本がなければコンピューターの発展は遅れていたと思います。ですので日本はそのことをもう少し自覚をしても良いかなとも思います。

kirakiramm
質問者

お礼

何回もありがとうございます。 色々勉強になりました。例が具体的でとてもわかりやすかったです。 でも経済学は難しいです。こうしてお話を聞けば多少理解できますが、グラフと計算式からではなかなか理解できなくて。 余談の話も初めて聞きました。日本もコンピューターの発展の一翼を担っているんですね。自覚って言うのはもう少し自信を持ってもいいっていうことですよね? おもしろい話もありがとうございました。

  • arx9
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回答No.3

No.2です。 >今テキストを見直していたのですが、平均費用は生産量の増加によりはじめは低下するがある水準を超えると逆に増加し始めるとあります。 まさに限界生産力が逓減していることが影響しています。つまり、TC(総費用)を増やしても生産量は少ししか増えず平均費用は増加する。 >グラフの横軸は供給量・生産量なので時間は関係ないと考えたらよろしいのでしょうか? 時間の要素を入れるって事は、費用を最小にする期間を企業に与えるってことですから長期になります。 長期費用曲線は固定費用を変動させた短期費用曲線の包括線です。よって短期・長期費用曲線自体に時間は関係ありません。 経済学はグラフで説明できれば完璧だと思いますよ。 もちろん計算式の意味も理解できればより完璧ですが。

kirakiramm
質問者

お礼

何だかわからなくなってきました。 それこそ大量生産のために平均費用は最初に増加するような気がするんですが・・・。 なるほど、時間の要素を入れることは、長期になるんですね。 もう一度グラフをしっかり見てみます!

  • arx9
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回答No.2

こんにちは。 >普通大量生産した方がコストが下がるのが一般的であるのに、限界生産力逓減の法則が成り立つと仮定されるのはどうしてなんでしょうか。 これは長期費用曲線を勉強すると解決すると思います。 確かに限界生産力だけで考えると、大量に生産するなら限界生産力は低くなり費用がたくさんかかりそうです。実際に短期費用曲線を見ると生産物を大量に作ろうとすると平均費用は高くなることが分かります。 しかし、固定費用(減価償却費や地代など)を増やせば増やすほど生産性が高まり短期費用曲線の勾配が緩やかになります。結果として平均費用が低くなります。 文字では説明が難しいですが、実際にグラフを使って説明すれば分かると思います。

kirakiramm
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 長期的に見れば大量生産のコストが下がるが短期的には下がらないから、ということですよね。短期的には、とあれば納得できます。 経済学はグラフや計算式が多くて難しいです。グラフを理解するのもなかなか難しくて・・・。消費余剰とか生産余剰とか、たぶんこうなんだろうなあと思いながら勉強しています(;;)

kirakiramm
質問者

補足

今テキストを見直していたのですが、平均費用は生産量の増加によりはじめは低下するがある水準を超えると逆に増加し始めるとあります。 グラフの横軸は供給量・生産量なので時間は関係ないと考えたらよろしいのでしょうか?

  • mark-wada
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回答No.1

>なぜ現実とは違う理論を仮定するのでしょうか なかなか鋭いツッコミですね。 しかし、「限界生産逓減」としないと、現実に合わない面も多分にあります。 例えば、自動車産業を例にとって、今仮に、 1位 トヨタ 50% 2位 日産  30% 3位 ホンダ 20% のシェアだとします。(ほかのメイカーの方、ごめんなさい。仮の数字です) 「大量生産でコストが下がる」だけの話だと、「限界生産逓減」の仮定を置かないと、 生産コスト・価格競争で、トヨタはますます有利に、日産はちょっと不利、ホンダはとても厳しくなります。 よって次の期には、 1位 トヨタ 70% 2位 日産  20% 3位 ホンダ 10% あたりになるでしょう。この傾向はさらに加速します。 次の期には、 1位 トヨタ 90% 2位 日産  10% 3位 ホンダ  0% さらに次の期は、 1位 トヨタ 100% 2位 日産   0% 3位 ホンダ  0% と、トヨタの独占になってしまいます。 ------------------------------------ 「限界生産力逓減」の仮定を置かないと、「大量生産の効果」だけが働いて、すべての産業について 「一つの企業の独占」 になってしまいます。 「大量生産の効果」があるので、あまり小さな企業は排除される、 けれども、 「限界生産力逓減」が働くので、1社の独占にはならず、数社の大企業が寡占しながら競争している、 というのが、一番、現実に近い姿ではないでしょうか。

kirakiramm
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 資格のところでは流せばすむのですが気になってしまい投稿しました。 わかりやすく教えて下さってありがとうございます。「大量生産の効果」というのは価格が下がって需要が増加して、を繰り返して独占になっていくという考え方ですか? 同一同質の物なら完全な競争市場であれば同じ価格になるとありましたが、例えば車ならデザインなど好みも反映されるし工夫次第で製品の差別化も図れるから独占になりうるのかなとも思うのですが・・・。でも値段が半分ならデザイン云々はなくなっていくのかも・・・。 生産力の考え方だけでとらえたらいいのでしょうか? もう一度教えていただけると嬉しいです。