刃物の材質と、被削材との「親和性」が関係しています。
「親和性」というのは、ん~と・・・、表現ベタなもので申し訳ないですが、「馴染み易さ」という感覚で理解してもらっても問題ないと思います。
親和性が高いと刃物に被削材が付き易くなり、「構成刃先」の卵が生まれます。
たとえば雪が積もった表面に、木の板を斜めに少し差し込み、ちょうど刃物が金属の表面を削るように木の板を動かすと、雪と木は親和性が高いために、木の板の先端、つまり刃先に当たる部分に雪が固まり始め、どんどん圧縮されるために周りの雪より硬くなって成長して行きます。
これが「構成刃先」です。
ところが今度は、豆腐と包丁で同じようなことをしてみたらどうなるでしょうか?。
豆腐と包丁は親和性がないために、スルスルと切れて行きます。
No,1様が書かれているように、刃先に化学反応が起きることで発生します。その反応の起き易さを「親和性」と言います。
雪と板のたとえを、次は雪とバットにしましょう。
バットの先端を少し雪に差込み、ゆっくりと水平方向に動かすと、バットの進行方向に、圧縮された雪が三角形に近い形になって行きます。
バットは丸いですが、三角形に圧縮された雪は、刃物の先端のように鋭くなり、鋭利な刃物として振舞います。
条件が良ければバットをそのまま引き抜いても、三角形の雪はそのままバットに張り付いています。
このバットを今度は、おもいっきり振り回して雪にぶつけたら、この三角形の塊は作られることなく、バットの勢いで雪が飛ばされます。
この考え方は、「高速加工理論」に入って行きますが、人類は未だこの理論を確立していません。
ですから経験的に思考するしかありませんが、構成刃先を防止するためには、やはり切削速度を上げる方法が良いと思います。
あとは刃物と被削材の「親和性」を考えること。
ちなみに、CBNと鉄の親和性は無いので、鉄系の被削材であれば、CBNの刃物がお薦めです。