こんにちは。おもしろい質問ですね。
私がご質問の趣旨を理解しているかどうか不安なのですが、「テレビや映画で出ている恐竜の声は化石などから科学的に推定した声なのかどうか」という意味と理解します。
基本的には、テレビの恐竜は「怖そうな声を勝手に工夫して、いろんな物のこすりあわせやコンピュータ合成音で作っている」というところ。他方で、御懸念のとおり声帯は化石に残らず研究が難しい中で、結構工夫して研究されているようです。
とにかく、声を再現するためには、声帯(発振)と共鳴の器官を推定しなければいけませんが、この部分は組織が柔らかくて化石も残りにくい上、比較的近縁と言われる「は虫類」は声を出すものが少なく、その次に近縁と言われる「鳥」があまりに多様な声を出すことから推定も難しいというのが正直なところ。
それでも頭蓋骨や頸骨が残っていれば、限定的ながら推定は可能であり、いろいろな取り組みがなされています。
特に象徴的なのが「パラサウロロフス」という恐竜で、特徴的な形をした空洞を持つ頭骨が発掘されており、明らかに声を共鳴させることが推定されることから、模型やコンピュータ上の音響シミュレータで再現されています。
(一例として聞いたものは尺八と汽笛の間のような感じであり、まあ、頭骨から素人でも推定出来る感じでした。この場合は声帯などの形状が異なってもあまり大差ないらしい)
また、それ以外でも、一応の科学的前提を設けた研究成果はあり、例えばティラノサウルスの一例は、本当に結構ゴジラっぽい(もう少し低い感じ)にはなっていました。もっとも、胃の共鳴効果やのど袋の形状で大きく差はあるそうで、意外と「ぴいぴい」という鳥っぽい声だったはずという主張さえもあるそうな・・・・
結局、恐竜の声は研究が難しく、一度報告された研究成果が覆されやすい分野のひとつでしょう。それでも、ほとんど根拠ある研究ができない「体の色」に比べれば、多少は根拠ある研究ができる・・・・というところでしょうか。
さて、いかがでしょうか。
お役に立てば幸いです。