簡単に言えば、機能死は機能的に不可逆的な死を迎えた状態=完全な心停止(全身の細胞はまだ生きているが、循環が止まることでやがて細胞も死ぬ)、器質死は脳細胞の器質的変化(脳死)によってその状態では心臓が動いているが、やがて機能死を迎えることが確定的に予測される状態かと思います。
つまり、脳に障害がない場合や障害があっても脳死に至らない程度の場合は、器質死がない状態で機能死(様々な要因で心停止を迎える)が先になる事が多いですが、脳に障害がある場合などで呼吸が維持されている(呼吸器がついているなど)場合、脳死になってからも心停止起すまでには期間があります。
脳死の場合、脳と呼吸以外の全身の機能はある程度維持(厳密に言うと障害はある・・が)され、心臓も動き、脊髄反射なども残っています。
しかし、脳が機能しない以上、やがて心停止に至るのは確実なことです。
逆に、人工心肺があれば、脳死にならないかぎりは生命を維持できる可能性もありますが、その状態を長く維持するのは困難でしょう。
極端な話し、心臓は人工物で代用できますが、脳は代用ができません。
かと言って、脳が死んでも心臓が動いていれば、死と認めるのは容易ではありません。
このあたりの受け止め方が倫理問題となる所以です。