- 締切済み
費用逓減型産業の価格形成について
大学で経済学(市場と規制について)を学んでいます。 ・費用逓減型産業の価格形成について ・社会的規制と経済的規制の違い の2点が分からないのですが、よろしければ説明の方よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- ajyu7
- ベストアンサー率55% (142/254)
経済的規制は、その名の通り企業等の経済行為を個別に規制するものです。 小さなものですと、昔の「携帯電話はレンタル以外禁止」とか、「株式会社の資本金は1000万円以上」とか、「食料品の表示はこうしないといけない」といったさまざまな規制がありました。 大きなものは「業法」ですね。銀行、電力等の公益事業、NTTに代表される通信など、「公共性が高い」という理由で規制されるものがもっとも大きな経済的規制といえるでしょう。 とても大きな経済的規制と社会的規制の線引きは難しいのですが、「公共性が極めて高い」ために、国が運営したり、とても厳しい規制が課されるものです。 医療は医者と医療法人以外やっちゃだめだとか、学校は学校法人と公立しか認めないとか、農家以外は農業をやってはいけないとか、過去の経緯から厳しい法的規制が課されています。言い換えれば、それが社会的コンセンサスとして、制度化されているものともいえます。 NTTを例にとりますと、昔は「電電公社」でした。電話線を敷設するために莫大な資金が必要で、民間ではできなかったからです。そのため、加入権という名目で電話線の敷設料をとることで全国に電話線を敷設したわけです。電話線を引くと、利便性が向上して加入者が増え、収入が増えます。 ところが電話線の敷設は進んでいくわけですから、コストは低減していきます。 このような費用低減型の典型である電電公社や国鉄は、設備投資を終えてしまえば、あとは毎年の管理コストだけです。価格は通常、市場で形成されるわけですが、「社会的規制により独占市場」となっているため、価格は政府等による統制で決定します。この場合のコストは積算方式が多いでしょう。多くの場合はコストは下がらないため、公社・国鉄は「鉄道を引く、電話を引く」という社会的役割が低下した、つまり「社会的規制を緩めても大丈夫だろう」ということで民営化されたわけです。その後は市場で需給をもとに価格が形成されます。