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旅の恥はかき捨て
「旅の恥はかき捨て」ということわざ(?)がありますが、いつごろから使われるようになったのでしょうか?これは、もともと「旅の恥はかき捨てるな」という戒めの文句だったのが、もじったもののほうが広まった、ということはないでしょうか?
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質問者が選んだベストアンサー
昭文社『故事ことわざ事典』、自由国民社『世界の故事・名言・ことわざ』によると、出典は『箱根草』とありました。 これは幕末の弘化年間(1844年~1847年)の滑稽本のようです。弘化といえば、水野忠邦の天保と黒船の嘉永の間の元号です。 原文「旅の恥は掻き捨てといふが、まだここは高輪だぜ」 高輪というのは、日本橋からみて東京の品川宿の手前付近の地名です。日本橋からでさえ、歩いて1時間もかからないような場所です。 知り合いがいるわけでもなし、固いこと言うなよという無責任な雰囲気や自由に振舞えるという旅の開放感などがうかがえる文章だと思います。 ただし、この本以前から江戸の人々の中ですでに使われていたことばだらしい、という感じもあります。 もしかすると、質問者さんのおっしゃるように、はじめ戒めのことばだったのが、庶民の間でさかさまの意味にして語り合ったものかもしれませんね。しかし、これより前の記録にはないようなので、もともとどのような状況で使われたのかはわからないと思います。
お礼
ご回答ありがとうございました。お礼が遅れて申し訳ありません。 ことわざの出典(あまり有名なのでなくても)まで載っている事典があるんですね。 やっぱり「旅の恥はかき捨て」ですかね・・・。昔の日本人の生活や習慣・気質を考えると、そんな気がしてきました。そして、このことわざは、「旅の開放感」とつながっているのですね。 近年では、旅(旅行)がずっと身近なものになった一方、このことわざが、自分勝手で自分の都合のいいように解釈され、使われているような気がいたします。それで、「『旅の恥はかき捨て』ではなく、『かき捨てるな』だ」とどなたかが苦言を呈していたのが頭に残っていたのだと思います。 どうもありがとうございました。