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伊藤海彦の「におう色」
日本語を勉強中の中国人です。伊藤海彦の「におう色」という文章を読んでいますが、理解できないところがありますので、ご指導くださるようにお願いいたします。 『わたしたちの国では、古くから「におう」という言葉を嗅覚だけでなく色彩の表現に使っている。「におう」とは、つややかで美しい、ほんのりしているといった意味である。刀の刃と地膚との境、霧のように煙っている部分も「におい」というし、染色で上部の濃い色から下部へと淡くぼかす手法も「におい」という。わたしたちは、色彩をただ色として見るだけではなく、それを味わい、嗅ぎ、ときとして聴き取ることさえある。』 1.文頭は「わたしたちの国では」となっていますが、「われわれの国では」、「われわれ日本人は」のような書き方は「わたしたちの国では」、「わたしたち日本人は」のような書き方より、威張っている感じを与えるでしょうか。「誇りを持つ」ニュアンスが含まれるなら、「われわれ」のほうが良いでしょうか。 また、謙遜しているニュアンスが含まれるなら、「わたしたちどもの国では」、「わたしたちども日本人は」のような書き方になるでしょうか。 2.『刀の刃と地膚との境、霧のように煙っている部分』はどんな状態を指すのかよく分かりません。刀を横に置いて、刃と置き所に接触するところから煙までも出るのでしょか。とても鋭い刀ならこのような現象が起こるのでしょうか。 3.文末の「わたしたちは、色彩をただ色として見るだけではなく、それを味わい、嗅ぎ、ときとして聴き取ることさえある。」の「聴き取ることさえある」の例を挙げてください。全文はこの点に触れていないので、気になります。 また、質問文に不自然なところがありましたら、それも指摘していただければ大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。
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1. おっしゃるとおりです。「われわれは」は「わたしたち」より威張った(尊大な)ととれることばです。 「誇りを持つ」という意味が「高慢に」「尊大に」と同じ意味であるならば「われわれ」を使ったほうがある意味で効果的かもしれません。しかし「誇り」とはそういう意味ではないと、私は思います。英語ではも「誇り」も「高慢」「うぬぼれ」も"PRIDE"ですが、日本語では、高みから発することばと横並びでいうことばとは別単語だと思います。 2. これは刀の部分の様子を指しているであって、現象を指しているのではないんですよ。 http://img3.dena.ne.jp/ex31/20051010/106/55941226_2.JPG この写真のように日本刀は刀本体の部分と刃先部分がモヤモヤと山形に分かれています。このモヤモヤ部分が「匂い・におい・にほひ」と呼ばれる「部分」です。 ただし、これは日本刀の用語ではありません。日本の工芸用語です。色などが濃い色からだんだんと薄い色にかわる(明暗移行)ような少しづつの変化(漸次的移行)のことを指すものです。ま、その引用文にあるとおりなのですが、現代の日本人は「グラデーション」と言っています。悲。 3. 単に「色」という語の歴史的拡大を逆(新しい時代の方)から述べただけのことです。「色」とはそもそも光の波長による視覚的な違いだけではなく「美しい」という意味を持っていたからです。 例としては、音色(ねいろ)、声色(こわいろ)があげられるでしょう。 ところで「匂い・にほひ」の原義は「色が美しくつりあっている」ことです。このことをふまえて次の文をお読みになってくださいませ。 「答へたる声も、いみじうにほひあり」(とりかえばや物語) (「たる」は「た」、「いみじう」は「たいへん」) おそらく、日本語の「色」について研究すれば、今でも本・論文を書けますよ。
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以下は私見ですが… 1.「我々(われわれ)」としても格別「威張っている感じを与える」 にはなりません。でも、「私達(わたしたち)」より、やや格式 張っている感じになります。 「わたしたちども」は奇異な感じがします。なぜなら「たち」も 「ども」も複数を意味するから。 「わたしども(私共)」とすると、なるほど「謙遜しているニュア ンスが含まれる」と思います。 2.『刀の刃と地膚との境、霧のように煙っている部分』については 現物を見れば一目瞭然となりますが、次のページの写真でも理解 できると思います。 http://www.touken.or.jp/syurui/tsukuri.html 3.貴方は「色彩」から色々なことを連想することはありませんか? 例えば鮮やかな赤からは“めらめら”と燃える音が、あるいは、 情熱の恋による心臓の高鳴りが、聞こえるかも知れません、人に よっては。比喩と考えてもよいでしょうね。
お礼
ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。よく理解できました。大変助かりました! 本当にありがとうございました。
- osaji-h
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1.「われわれ」とすると威張っているというか、少々堅苦しい印象を抱きます。 確かに“誇りを持つ”ニュアンスは少し強くなりますが、それよりは堅苦しさのほうが先に立ちます。 また、「わたしたちども」という表現は通常ありません。 「たち」と「ども」は両方とも複数であることを表すので、二重になっていることになります。 2.私も知りませんでしたが、刀の一部分で「におい」と呼ぶ箇所があるのだそうです。 ↓このページの中ほどに写真があります。 http://www.touken.or.jp/syurui/tsukuri.html 「霧のように煙っている」という表現、確かに的を射ていますね。 3.色彩を“聴き取る”という表現は、確かにあまり聞きませんね。 適切な例かどうかはわかりませんが、1984年頃のカセットテープのラジオCMで、目の見えない子どもたちに色をどう表現するか尋ねたものがあります。 そこでは、たとえば金色は「金属製のたらいの底をたたいた音」と表現していました。 質問文にはそれほど不自然なところはありませんが、強いて挙げれば最初のほうの「ご指導くださるようにお願いいたします」の表現は丁寧すぎる感があります。 「ご指導ください」「ご指導をお願いします」くらいでいいと思います。
お礼
ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。大変参考になりました。また、質問文までも貴重なアドバイスをいただき心より感謝いたします。 本当にありがとうございました。
- yangqin
- ベストアンサー率14% (5/34)
1 「われわれ」も「わたしたち」も基本的には同じ意味だと思います。人によっては、「われわれ」の方が他とより強く区別している印象をもつかもしれません。現代日本人は、「われわれ」という表現をあまり使わなくなってきていると思います。 2 日本刀は、鋼(はがね)をたたいて(鍛錬)して、刃を作ります。その為、日本刀には、雲のような、また、波のような模様ができます。それを指していると思います。下記HPの写真を参考にしてください。 3 なかなか思いつきませんが、逆の表現ならよくあります。つまり、音や声を色を使って表す場合です。例えば「黄色い声」といえば、若い女性の甲高い声を指します。
お礼
ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。とても参考になりました。ただ大変残念ながら、参考ページは見えませんでした。 本当にありがとうございました。
お礼
毎度お世話になります。 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。大変参考になりました。日本語の「色」は確かに複雑ですね。 本当にありがとうございました。