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距離空間はハウスドルフ空間?

「すべての距離空間はハウスドルフ空間である」 の意味がわかりません。 x、yに対して必ず交わらないような開球をとることができるということなんだと思いますが、どうして必ずとることができるのかわかりません。 実数の稠密性?? よろしくおねがいいたします。

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  • adinat
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回答No.1

自明です。実数の話とはなんら関係がありません。 ハウスドルフ空間とは、位相空間でハウスドルフの分離公理(T2とも呼ばれる)を満たすもののことで、任意の2点x,yに対して、x,yを含む開集合A,Bがとれて、A∩B=φとできることです。 これは理解されていると思います。では距離空間とは何か? 位相空間Xが距離dを持つ距離空間とは、任意の二点x,yに対して、距離d(x,y)≧0が定まって、三角不等式 d(x,z)≦d(x,y)+d(y,z) および対称性 d(x,y)=d(y,x) さらに自分との距離が0である点は自分自身しかない d(x,y)=0⇔x=y を満たすとき、距離空間という。 三角不等式や対称性はすぐに思い出せるでしょう。大事なのは三番目のd(x,y)=0ならば、x=yというところです。この辺りが極限の一意性や、あるいはハウスドルフ性と関わってきます。 例.R^2で、x=(x_1,x_2)、y=(y_1,y_2)に対して、d(x,y)=√{(x_1-y_1)^2+(x_2-y_2)^2}は距離になる(普通のユークリッド距離です)。 反例.R^2で、x=(x_1,x_2)、y=(y_1,y_2)に対して、d(x,y)=|x_1-y_1|は距離にはならない。三角不等式も対称性も満たすが、第二成分が等しければ常に距離は0になってしまう。 で、これさえ知っていればご質問のことは答えることができます。定義を使うしかないのだから、まず、異なる二点x,yを取ってきます。交わらない開集合を取ってきたらよいのです(今の場合は距離空間だから普通は開球を取る)。xとyの距離d(x,y)は定義から0ではありません。そこで、半径がd(x,y)/2の(不安ならd(x,y)/3ぐらいにしてもよい)x,y中心の開球をA,Bとします。そうすると三角不等式からA,Bは交わりません。 たとえば離散距離空間(異なる点との距離は全部1、自分との距離だけ0)というとんでもない距離空間を考えます。これもやはりハウスドルフ空間です。異なる二点、x,yをとると、その距離は1のはずです。x,yから半径1/3の開球を取ります。もちろんその開球の中にはそれぞれx,y以外の点はただの一つも含まれていないので、開球とは一点集合{x},{y}になっていますが、これはちゃんと開集合(開球)になっているので、これで分離公理が示されたことになるのです。 この辺りがご心配なら、距離空間Xにおいて、x中心、半径rの開球 {y∈X|d(x,y)<r} がちゃんと開集合になっていることを確かめておくのが有益です。もっとも距離空間の位相をこれで定めることも多いので、そうするとこれはただの定義になってしまうのですけれど。 混乱されると困るので、分からないなら以下のことは読み飛ばしてもらって結構ですが、反例で書いたdという距離もどきからR^2に位相を導入することもできます。というのは、この距離もどきから決まる開球というものが開基の条件を満たすからで、これから決まる位相はハウスドルフにはなっていません。つまり第二成分が等しい異なる二点を、この距離もどき位相で分離することはできません。それはこの距離もどきの定義を見ても容易に納得できますよね。

noname#73577
質問者

お礼

離散距離空間では、開球が半径1のものと空集合しかないというふうに考えてしまって混乱するのですが、開集合は距離から決まるものではないのですか? あと、開球が距離空間において開集合というのは位相の3つの条件を確かめられるということでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。