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心理検査WISC-III,K-ABC,ITPAの違いと使い方は?
- 心理検査にはWISC-IIIやK-ABCなどがあります。
- K-ABCはWISC-IIIの批判から生まれた検査で,認知処理特性を掘り下げるのに適しています。
- 一方、ITPAは教示が難しいため、聴覚活用に難があるお子さんには用いにくいです。
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#1です. 大変失礼しました. 1,2については,不等号が,逆になっていたようです. これらは,言語性vs.動作性という枠組みでは,分析しきれず,Kaufmanが採用した継次処理-同時処理の枠組みから見ると,うまく説明ができるということです. この点については,現在手元に資料がありませんので,Kaufmanの講演記録を再確認して,改めて,きちんとご説明します. 3については,Wechslerの理論では,言語性-動作性という知能の区分を用いていますが,そこには,被転導性因子などは想定されていないといういみです. ただし,Wechslerの知能の区分は,理論的というよりも,課題提示の方法や,子どもの反応様式から知能を分けたものといった方が適切です. つまり,言語性の検査では,課題をことばで与え,反応もことばで行う,というような意味です. そうした点からいえば,Wechslerの理論にはないということになります. 被転導性因子は,Kafumanの枠組みからすれば,継次処理に関わるものと考えられています. 以上,とりあえず追加まで.
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- vzb04330
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心理検査は,それぞれよってたつ理論的背景があり,特定の心理特性を測定する目的で作成されています. 一般的には,質問者も書いていらっしゃるように,WISC-IIIは,知能の全般的水準や,言語的知能,動作的(とはいえ,視覚-運動的な)知能,さらには,それらを構成する下位検査の視点から測定するものです. K-ABCは,Wechsler,D.のもとで,WISCなどの標準化に携わっていたKaufman, A.Sが,夫人のKaufman, N.L.とともに新しく作った認知処理過程と習得度とを区別して測定できるように作った検査です. 彼は,WISCなどのWecsler検査の言語性vs非言語性の枠組みでは解明困難な課題がいくつかあることに気づいたのです. それらは,以下のようなものです: 1.片側大脳損傷者 損傷部位から予測されるのとは,異なり,右脳損傷でVIQ>PIQ,左脳損傷では,VIQ<PIQとなること 2.知的障害(MR) 絵画完成・組合せ・積木模様が高く,算数・知識・単語が低いにもかかわらず,VIQ<PIQとなること 3.被転導性因子の存在 Wechsler検査の結果を因子分析して得られる,算数・数唱・符号からなる因子は,もともとのWechsler理論にはないこと 4.読み障害に特有のプロフィール 読み障害にみられる,算数・符号・知識・数唱(ACID)の低成績は何を示しているのか これらの疑問を解決するため,Kaufmanは,LuriaやDasの研究など,心理学の知見や理論にもとづいて,子どもの認知処理過程を,継次処理・同時処理の枠組みで測定するとともに,習得度を,知能とは区別して測定できる検査として,K-ABCを作ったのです. これにより,Wechsler検査では,区別できなかった,知能と習得度とを分けて測定できるようにし,子どもの学習困難などの問題に直接アプローチする道を開いたのです. ITPAは,その名前の通り,言語学習能力を測定するための検査です. この検査は,Osgoodの意味論をモデルに,それの構成要素を測定することで,子どもの言語学習能力を調べることができるものです. 以上のように,背景とする理論や,測定しようとする心理特性などが異なる検査ですので,子どもの主訴や問題点に応じて,それにあった検査を用いることが重要となります.
補足
早速回答をいただき,ありがとうございます。 その上で再度の質問ですが,以下のご指摘の3点について,当方ではよく理解できませんでした。もう少し,シロウトの私めにも分かるよう,かみ砕いて説明いただけるとありがたいのですが。よろしくお願いいたします。 WISCなどのWecsler検査の言語性vs非言語性の枠組みでは解明困難な課題 1.片側大脳損傷者 損傷部位から予測されるのとは,異なり,右脳損傷でVIQ>PIQ,左脳損傷では,VIQ<PIQとなること 例えば,左脳では言語認識,論理的思考,計算,顕在意識などを担っております。従って,こちらが損傷されるとVIQ<PIQとなるのは当然のように思うのですが。 2.知的障害(MR) 絵画完成・組合せ・積木模様が高く,算数・知識・単語が低いにもかかわらず,VIQ<PIQとなること 絵画完成等が高くて,算数や知識等が低ければ,VIQ<PIQとなるような気がしますが。 3.被転導性因子の存在 Wechsler検査の結果を因子分析して得られる,算数・数唱・符号からなる因子は,もともとのWechsler理論にはないこと 理論にないものがどうして下位検査にあるのでしょうか。 以上について,シロウトに分かりやすく説明していただけるとうれしいのですが。 よろしくお願いいたします。
お礼
早速に補足に対する回答をいただきありがとうございました。なかなか理論をよく理解するのは難しいです。今後の糧としたいと思います。障害児教育の現場は特別支援教育への転換が図られ,軽度発達障害にたいする関心が高くなってきております。これらのお子さんはその実態が見にくいものだと思います。今後,検査への期待は大きいのだと感じます。