虹が作られる原理をご存じですか?
太陽光線が小さな水滴にあたると、水滴の中で太陽光線が屈折により分光されることによります。
屈折と分光は説明が難しいですが、虹の場合を簡単に言うと、「色によってはね返る角度が変わる」と言う事です。
つまり、小さな水滴の役割は、「色によって反射する角度が変わる小さな鏡」と捉える事ができます。
空気中にある水滴が「水滴A」1つだけだったとしましょう。
あなたが虹を見るためには、太陽→水滴A→あなたと太陽光線が進む必要があります。
このとき、太陽と水滴Aとあなたの位置から、光線が反射される角度が求まります。その角度によって、見える色が決まります。
離れて立っている人には、太陽→水滴A→その人、の角度が違ってきますので、「同じ水滴Aが反射した光でも、違う色が見える」と言う事になります。
つまり、「同じ虹を見ていない」ということです。
実際には水滴はたくさんありますので、たくさんの光が反射されてきます。
水滴B、水滴C・・・も、それぞれ光を反射します。
しかし、『あなたが見る虹』は『あなたの目に飛び込んできた光』で作られています。
水滴B、水滴C・・・は、「太陽→水滴→あなた」の角度が水滴Aとは異なりますので、違う色をあなたに反射する事になります。
全体として、あのような弧を描く虹が見えるということです。
(わかりやすさを優先していますので、物理学的には多少ごまかしているところがありますが、ご了承下さい。)
ちょっと細かい事を言うと、同じ人の右目と左目でも見ている光は別のものです。虹の場合で言えば、「太陽→水滴A→右目」と「太陽→水滴A→左目」の角度が違うということです。
しかし、分光のあるなしによらず、あなたの右目に入った光と左目に入った光は別のものですよね。
「同じ光」が両目に同時に入る事はないですよね。
もっと細かい事を言うと、同じ物体の同じ場所から出た光でも、右目の右端に入る光と左端に入る光は、別の光です。
『同じ物を見る』とはどういう事を言うのでしょうかね(笑)?