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訳者について
以前、外国の本を読んだのですが、日本語訳が非常に読みづらく、途中で読むのをやめてしまいました。それ以来、外国文学を読むことを躊躇するようになってしまいました。 そこで、皆さんは翻訳についてどう考えているのかを聴きたいと思い、訳者の違いによる影響についての意見が聞きたいと思います。 またお勧めの訳者さん、そして日本語訳で読みやすい世界の名著を教えてください。著者・時代は問いません(強いて言うなら、ドストエフスキーとヘミングウェイ)。
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こんにちは。 私自身、カタカナが苦手な事もあって、 翻訳文学に躊躇していた時期もありますが・・・。 読まないなんて、もったいない。 宝の山ですよ。 私が読んだ中で、 読みやすいな・・・と思った訳者は、 下記の2人です。 1、高見 浩 ヘミングウェイの訳を、 数冊てがけています。 「われらの時代(初期の短編集)」、 「日はまた昇る」など。 「武器よさらば」も、今年の夏には販売になる予定です。 以前「翻訳文学ブックカフェ」というイベントで、 高見氏のインタビューを聞きました。 「優れた文学作品であっても、 古めかしい表現がネックになって、 読んでもらえないのは、もったいない。」 と、話していました。 例えば・・・。 「nurseという言葉、『看護師』と訳すべきだろうか、 それともあえて『看護婦』の方がいいのか、 十年後ぐらいには別の言葉で、しっくりくる言葉がでてくるのだろうか」 読んだ人にしっくりとくる表現にしたい、 と心を砕いている印象を受けました。 そのせいか、 私は、とても読みやすい訳者だと思います。 (訳者に関しても、人それぞれの好みがあると思うので、 参考程度に聞いて下さいね。) 2、柴田 元幸 「柴田元幸の紹介する本にハズレなし」という評判の訳者です。 さまざまな現代アメリカ文学を訳しています。 専門はポストモダンでしょうか。 私もokwaveで紹介してもらいました。 「月刊 柴田元幸」と思えるぐらい、 精力的に訳してくれる、そのスピードには、 本当に頭が下がります。 他に、翻訳の文学作品について書かれている書籍 についても書かせて下さい。 ※「翻訳文学ブックカフェ」 http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31424910 高見氏のところでもふれましたが、 ある書店で行なわれている、 「翻訳文学ブックカフェ」 というイベントの内容をまとめた本です。 訳者の苦心しているところ、 どんな本をこれから訳していきたいか、 などなど、 熱い思いがこもっています。 「女流作家Lは誰にも渡さん!俺だけが訳すんだ!」 というニュアンスの発言があったとか、なかったとか(笑)。 どういった訳者がいるのか、 どういう作品がとりあげられているのか、 も興味深い一冊ですよ。 ※「翻訳教室」 http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31669475 柴田氏が東大で行なった翻訳の授業をまとめたもの。 ヘミングウェイの短編もとりあげています。 章の終わりについている 「柴田訳」だけでも読む価値は、 あると、個人的には思っています。 「ブローティガン」の短編を読みたくて、 手に取りまして・・・。 「太平洋ラジオ火事」の題名も、 柴田風にアレンジした訳で載っていました。 訳者に関しては、 「現代の人間をオイテケボリにしない親切な訳」に惹かれる事もありますし、 「古くても、斬新で、抗いがたい魅力」に惹かれる事も・・・。 これ!という方向性がはっきりしないまま、 (楽しみつつ)悩みながら本を選んでいます。 「水のように澄んだ空が星をひたし、 星を現像していた。 しばらくすると夜が来た。」 堀口大學訳「星の王子さま」のこの部分、 好きなのですが、 デジカメ全盛の今、 この訳は、もう時代にそぐわないのかも・・・ と少しさみしく思います。 参考になれば幸いです。
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#2です。 最近読んで面白かったのは 『本当の戦争の話をしよう』です。 解説や評価の高さはamazonのレビューを見ていただければおわかりになるかと思います。 一度、読んでみられるといいかと思います。 これは、原文で読むのと村上春樹訳で読むのとはかなり印象が異なるのではないかなぁ・・。 というのも、翻訳するときに、村上春樹が結構表現を(内容がより伝わりやすいように?)変えたそうです。 書かれてある内容は一緒でも、表現の仕方によって受ける印象はまったく違ってきてしまうもので・・・。 私がこの本をお勧めするのは、書かれてある内容もそうなのですが、それよりもやっぱり文章やスピード感、村上春樹独特の視点(ドライな感じ)がすごく良かったからです。 回答、遅れてしまいすみません。
- papageno
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「翻訳調の文章」という表現があることからも、一般的にも翻訳文は自然な日本語ではない、という認識があるのでしょうね。 もともと文の組み立てや、音韻、文化的背景の違う言葉を完全に訳すのはそもそも無理、というのもありますが、やっぱり訳者によって読みやすさは違うとおもいます。何となく、学者さんの訳したものは読みにくいという印象があります。読むこと、解釈することのプロであっても日本語表現のプロとは限らないということなのでしょう。 でも読みたい本の中身が全くわからないよりも、不自然でもその一端を知ることができる方がありがたいので、私は基本的には訳者の方には感謝しています。 ところで翻訳について、この間面白い経験をしました。 英語小説の翻訳本なんですが、とにかく冒頭から日本語がひどい。間違っているわけではないようだけど、まるで「辞書で引いた訳語をそのまま当てはめたような」不自然な言い回しが続出して、よっぽど読むのをやめようかと思いました。 ところが我慢して読み進んでいくと、どうやらそれはウクライナの青年が書いた英語の手記らしいのです(一人称なので、返って気がつくのが遅れました)。彼が独学によって学んだ、まさしく、辞書で引いた訳語をそのまま当てはめたような不自然な言い回しの文章だったわけです。 原文で読む人は説明なしで読んですぐ、「あ、これはネイティブが書いた文じゃないんだな」と了解するのでしょうが、翻訳で読むと元の文を疑わずに、「この直訳調の文は何だ?!」と思ってしまったわけです。理解した上で読むと、何ともその文の可笑しさが利いていたし、物語としてもとてもいい小説でしたが、私が危うくやりかけたように、冒頭で早々に投げてしまった人がいるのではないかと心配になりました(^^;; ヘミングウェイあたりなら、原文で読んでもいいかもしれませんよ。
#1です。 すみません、訂正します。 >文字の大きさから(苦笑)、岩波より新潮文庫が好きです。 さっき本屋に行ってきたら岩波文庫もだいぶ新しくなってました。 ごめんなさい、岩波文庫。 旧いのは私の頭でした。1冊買ったから許してください(笑) 図書館などにある昔の版だと古い感じなのですよね・・・ 今はそんなことないんだ。 頭の中の情報をアップデートします。 質問者さん、おじゃましました。
訳者はかなり大切だと思います。 良い訳というのは、読んでいて違和感のない訳(と、以前何かの本で読みました)。当然のことのような気がするけど・・。 最近観た映画で、好きな韓国俳優が出演してるのでそのDVDを買って観たのですが、途中から訳があまりにも違和感ありすぎて、一度気になったら最後まで気になってしまい残念でした。 良い訳で言えば、戸田奈津子さんは本当に素晴らしいですよね。先日「プロデューサーズ」を観たのですが、感動しました。 おすすめは村上春樹訳です。
やはり訳者によって違いますよ。 アマゾンのカスタマーレビューを読むとよく、翻訳が気に入らないという感想も見かけます。 短編集でいろいろな訳者が訳しているのを読むとなんとなく分かります。 私はP.K.ディックは浅倉久志さんが好き・・・・。 同じ作品でも時代によって変わりますしね。 翻訳は文体や語彙が古くなってしまうということもあります。 今なら「カフェオレ」で通じるところを、「ミルクコーヒー」にしてあるとか。 それでも旧い訳がダメというわけではありませんが。 『星の王子さま』がたくさん出ているように。 『ライ麦畑でつかまえて』が2つあるように。 ドストエフスキー先生のはわかりませんが、 文字の大きさから(苦笑)、岩波より新潮文庫が好きです。
お礼
やはり、訳者によって本の印象って変わりますね。貴重なご意見ありがとうございました。
お礼
村上春樹訳のキャッチャー・インザ・ライを読みましたが、読みやすくそして面白かった。 他に村上春樹さんはどのような作品の訳をしているのでしょうか?よろしければ教えてください