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熱容量への自由度の寄与

O2分子が持つ並進・回転・振動・電子の自由度のうち、1000Kでの熱容量に寄与しているのはどれか?という問題があるのですが、どのように考えればよいのかわかりません。1000Kのイメージがつかめなくて。すみませんが教えてください。 また、これがO2ではなくてN2だったとしたら、結合実数が大きくなる(2→3)からより温度あたりの熱容量も大きくなるのですか。

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  • Mell-Lily
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回答No.1

物質を構成する分子や原子の自由度の数は、その物質の比熱を決定します。統計力学のエネルギー等配分の法則によれば、分子や原子の各々には、一自由度当たり平均して1/2kT[J](kはボルツマン係数、Tは絶対温度)のエネルギーが割り当てられます。固体の場合、調和振動運動の自由度2と3次元空間運動の自由度3を掛けて、2×3=6の自由度をもっています。このことから、個体の比熱に関する法則、つまり、デュロンュ=プティの法則を導くことができます。酸素や窒素といった二原子分子の気体の場合は、並進運動、回転運動、振動運動、原子内電子の励起などの自由度が考えられます。ところが、ヘリウムやネオンといった希ガスなどの一原子分子の場合は、回転運動と振動運動の自由度はありません。よって、これらの比熱は異なる値をとります。また、酸素や窒素の場合も、あまり低い温度では、振動運動や原子内電子の励起といった自由度は凍結されていますので、これらは比熱に寄与しません。絶対温度1000Kは、摂氏温度では約727℃で、かなり高い温度です。この温度では、振動運動の自由度は効いてきますが、原子内電子の励起の自由度は効いてくるかどうか、といったところだろうと思います。並進運動と回転運動の自由度は常に効いています。

raisinbread
質問者

お礼

早速のご回答どうもありがとうございました。一人でAtkinsを読みながら勉強しているのですがなかなか理解が及ばなくて。このように噛み砕いて解説していただけるととてもわかりやすくて嬉しいです。自分はデュロン=プティの法則の導き方を誤解していたことにも気がつきました。

raisinbread
質問者

補足

>絶対温度1000Kは、摂氏温度では約727℃で、かなり高い温度です。この温度では、振動運動の自由度は効いてきますが、原子内電子の励起の自由度は効いてくるかどうか、といったところだろうと思います。 こういったデータは何を調べればわかるのでしょうか? 別の問題で、グラフのようなものを見た記憶があるのですが。

その他の回答 (1)

  • Mell-Lily
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回答No.2

熱統計力学のエネルギー等配分の法則によれば、絶対温度T[K]の物質原子、分子の各々には、平均して1自由度当たり1/2kT[J](kはボルツマン定数)のエネルギーが配分されます。よって、自由度が3である単原子分子気体の場合、モル比熱は、k/N_A = R(N_Aはアボガドロ数、Rは気体定数)の関係から、  3×1/2kT = 3/2kT = 3/2RT に、同じく、自由度5の二原子分子気体の場合は5/2RTに、自由度6の固体の場合は3RT(デュロン=プティの法則)になります。酸素分子は二原子分子ですから、モル比熱は5/2RTということになります。これは、実際、比較的低温の域においては、実験値と一致するでしょう。しかし、比較的高温の域になりますと、並進運動と回転運動以外の自由度が生じ、結果的に、モル比熱が上昇します。 結合実数は、モル比熱の値に直接の関係はないと思います。自由度が効き始める温度には関係がある、と言えるかもしれません。気体原子、分子の振動運動や原子内電子の自由度に関する記述は、あまり目にしたことがないので、詳しくは分かりませんが、1000Kというのはそれほど高い温度ではありません。この温度では原子内電子の自由度はまだ効かず、振動運動の自由度が効くだけだと思います。大き目の本屋や図書館で専門書を当たってみると、詳しく記載されているかもしれません。また、原子や分子の正確な理解は、量子力学によらねばなりません。