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「変位」という言葉について
変位という意味が分かりません。「量と大きさの両方を意味する」とか「要はベクトルと同じだよ」とか学校の先生に説明してもらいましたが、よく分かりません。個人的には変位=距離と理解して問題を解いて、正解は得られましたが、これは意味が違うようです。 できれば、具体例などを添えて、教えてほしいです。 よろしくお願いします。
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変位とはどれだけ変わったかを表す言葉で、つまり「差」です。 例えば、A点(高さ100m)からボールをB点(高さ0m)に落とす事 を想定するとしましょう。変位はいくつでしょう? この場合、変位=距離です。変位は100m。 また、直径3cmの風船に空気を入れて、直径10cmにしました。 変位はいくつでしょう? この場合、変位=大きさです。変位は7cm。 りんごが家に3つあって、何個か買ってきて今は9個あります。変位は? この場合、変位=量(個数)です。変位は6です。 最初に言ったとおり変位とは、「差」と似たような意味で、 「どれだけ変わったか」を表す言葉です。 先生が言った、「量と大きさの両方を意味する」というのは 「量を意味する時もあるし、大きさを意味する事もある。」 ということではないでしょうか? もし、風船の中に水をいれた時のことを考えれば、 「変位」=「水の量と風船の大きさの両方を意味する」かもしれませんが…。 質問の回答になりましたか?
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- sanori
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理工系卒の者です。 私も「変位」という言葉には、違和感があります。 単位はメートルですよね。 「位置」とか「座標」のほうが、まだ、しっくり来る感じです。 具体例と言えば、 最も適切で、かつ、習得必須の「単振動」の例ですか。 単振動は、加速度の大きさが変位に比例し、かつ、加速度の方向が変位と逆方向である場合に起こります。 重りを付けたバネがそうですね。 (振れ角が小さい場合の)振り子の運動も単振動です。 (なぜならば、振れ角が小さいときsinθ≒θ で、 かつ、加速度がθに比例するので。) ----- まず、予備知識として、微積分と物理との関係を。 (もう、ご存知なのかもしれませんが。) 加速度とは、位置を時間で2回微分したものです。 位置の1回微分が速度、速度の1回微分が加速度です。 逆に言えば、加速度を時間で2度積分すれば、位置になります。 最も簡単な例を挙げましょうか。 加速度が一定(=a)の物体の運動を考えます。 速度vは、v = ∫a・dt = at+積分定数 時刻t=0における初速をv0 と決めれば、 v = at+v0 位置xは、 x = ∫v・dt = ∫(at+v0)・dt = a・∫t・dt + v0・∫dt = a・t^2/2 + v0・t + 積分定数 時刻t=0における位置をゼロと定めれば、 x = a・t^2/2 + v0・t という結果となり、高校の物理の教科書と一致します。 たぶん、高校の教科書には、図解で説明してると思います。(直角が2つある台形のようなグラフ) しかし、私は、なぜ、そのグラフ解法が正しいのか理解できず、悶々としたまま高校を卒業しました。 しかし、大学で、 ・位置をtで微分したら速度 ・速度をtで微分したら加速度 という真理を習い、気づき、やっと頭の中の霧が晴れたと記憶しています。 ----- では、いよいよ単振動の話を。 バネ定数kのバネに吊るした質量mの物体の単振動を考えます。 加速度が位置に比例して逆方向ですから、両辺が「力」の次元になるように方程式を立てれば m・加速度 = -k・位置 m・x” = -k・x x”= -K・x (Kは正の定数 K=k/m) という、二回微分方程式になります。 この一般的な解は、 A・eの(i・√K・t)乗 という形(および、同じ形同士のものの和)になることが、数学的に知られています。(Aは振幅です。) A・sin(√K・t) や A・cos(√K・t) も、解の1つです。 振動の周期をTと置けば、 A・sin(√K・t) = A・sin(√K・(t+T)) ですから、 √K・t+2π = √K・(t+T) とならなくてはいけませんから、 T=2π/√K となるわけです。 振り返って、 m・加速度 = -k・位置 という式をもう一度眺めて見ましょう。 加速度がゼロになる位置をゼロにしないと、この微分方程式は単振動の記述になりません。 (= バネが静止状態で釣り合う位置を0メートルと決めないといけません。) 仮にもしも、釣り合う場所を0メートルではなく、dメートルと決めたとしましょう。 すると、 m・x” = -k・(x-d) という微分方程式になります。 ところが、y=x-d と置けば、dは定数ですから、 y’=x’であり、また、 当然、y”=x”ですから、結局、 m・y” = -k・y となり、y=0 すなわち、x=d を中心とした単振動の式に戻ります。 つまり、 結局、起こる物理現象は変わらないのに、釣り合う位置(位置の基準)を、わざわざ0メートル以外の場所に設定するのは、「不要な定数(=d)」が式に加わるというナンセンスな結果になるだけなのです。 よって、 ある場所dを基準に、その前後の±何メートルという位置を考えるときに、基準位置dを最初から、d=0メートルとするのが、合理的なので、 「±何メートル」の「何」の部分は、単に「位置」と呼ぶのは物足りず、偉大な先人が「変位」と呼ぶことにしたのでしょう。 それでも、私は「変位」という不自然な日本語に、いまだに抵抗感ありますが。(笑)
お礼
僕のようなものには理解するのが少し大変でしたが、詳しくどうもありがとうございました。物理をもう少し勉強してから、亦参考にさせていただきます。
- Deerhunter
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私もきちんと考えたことはなかったのですが、 物理の力学ではたしか ひずみは物体の単位大きさ(長さ)あたりの変位となっていたはずで。ひずみ自体はご存知のようにベクトル量ですから当たり前のように変位も方向を持っていると理解していました。 距離や速度でも 速度ベクトルの方向に動いた距離が変位であり、方向が決まっているのである意味ベクトルだと。 ただし、物理以外の分野では”位置のずれ”としての意味が主体で、方向はあまり意識しないことがあるようですね。
お礼
いや~、恐ろしく分かりやすかったです。本当にどうもありがとうございました。