気胸時のウォーターシールドレーンバックについて
ドレーンバッグには胸部(トロッカーチューブ)と接続した排液部、ウォーターシールと呼ばれる水封部(青い水)、吸引圧調整部(黄色い水)の3つの構造でできているかと思います。
水封部は出る空気だけを出して逆流を防ぐ一方弁だけがついている状態、と考えています。そうしますと、気胸の場合、しばしば吸引器で吸引圧をかけるのですが、吸引圧をかけなくとも、吸気時(胸腔内陰圧時)に肺が膨らんで胸腔内にたまった空気がチューブより押し出され、チューブ、バックを通じて水封部に至った時、気泡として吸引圧調整部の方へ空気が出て行けば、それで少しずつ空気漏れ(エアリーク)は解消できるように思います。吸引器をかけて吸引するよりは時間がかかることかもしれませんが、これでうまくいくのなら吸引器による吸引は不要と考えていいでしょうか?
もちろん、気胸の程度が重く、胸腔内のエアリークの量が多い場合は、自然に肺が膨らんで空気を押し出す作用が期待し難く、吸引器による吸引(陰圧)が必要と考えればいいのでしょうか?
また、吸引圧調整部(黄色い水の部分)についても質問です。ここに圧の目盛がありますが、この目盛の高さまで水を入れるとその水の高さの分、接続されたバックである水封部~排液部~胸腔内に陰圧をかけるということになるのでしょうか?例えば吸引圧調整部に10cmの高さまで水を入れると回路内は密閉されていますから、その水の圧と平衡を保つよう、水封部~排液部~胸腔内には10cmの陰圧がかかるのではないかという考えです。一方で、吸引圧調整部は目盛まで水を入れても、単にそれは上限圧を設定しているだけで、自然ドレナージの場合、吸引器で吸引していなければ陰圧はかからず、10cmまで水を入れようが0cmだろうが圧には何ら関係ないという意見も聞きます。どちらが正しいのでしょうか?
また、もしも10cmの水の高さは吸引器で吸引していなくてもその高さを形成・維持していること自体がそれと平衡を保とうと胸腔内に10cmの陰圧をかける作用があるというのが正しい場合、この10cmの水を入れた状態でさらに吸引器で5cmの吸引を行ったら、10+5=15cmの陰圧ということでいいのでしょうか?それとも10cmは単なる上限設定圧の意味で、今の場合は器械で吸引した5cmのみがかかるだけなのでしょうか?
以上、まとめますと、(1)気胸の場合、ウォーターシールドレーンバックは必ずしも吸引器の吸引は必要でなく、軽症の場合は吸引なしで脱気できる。これでいいのか?(2)吸引圧調整部の目盛はそこへ目盛まで水を注入すると目盛の圧がかかった(胸腔には陰圧)という状態で自然ドレナージとなり得る。これは正しい?(3)もしも(2)の状況が水の高さの分、胸腔へは陰圧を形成することができるなら、さらにそこへ吸引器で吸引すれば、その分の陰圧も追加される。これは正しいのか?
お詳しい先生の御意見、よろしくお願い申し上げます。
お礼
回答ありがとうございます。