銀行員です。
以下、専門用語を省いてわかりやすい表現にしておりますので、厳密なご説明ではないこと、また、小生の専門は法人営業につき、住宅ローンの専門知識はあまり持っておりませんので、広く日本国内の金利動向についての私見になることを、予めご了承下さい。
1.量的緩和
(1)日本銀行が、民間の銀行が持つ債券(主に国債)や手形を、じゃんじゃん買い取って、各銀行の当座預金(利息ゼロの預金)口座に資金を注入。(各銀行は日銀に当座預金口座を持っています。日銀が「銀行の銀行」と言われるゆえんです)
→公開市場操作の「買いオペレーション」と言います
(2)各銀行は、利息ゼロの当座預金に預けていても利益にならないので、どんどん貸出におカネを回そうとする。
(3)結果、世の中におカネがたくさん出回り、金利が低下し、景気が上向いていく。
→各銀行間同士の無担保での期間1日の借入金利がほぼゼロの水準まで到達しています。これは、世界的にも例のない異常事態です。
2.ゼロ金利政策(ご参考)
(1)日銀が各銀行の間に入って、大量の資金を供給することにより、各銀行間同士の無担保での期間1日の借入金利をゼロまで誘導すること。
3.日本国内の金利動向について(私見です)
(1)長期金利(1年超):量的緩和解除後も、当面3~5年程度は、金利は急上昇しないと思います。国債の10年ものの金利が、現在1.650%ぐらいです。3%以上になれば、政府が破綻してしまうと言われています。10年ものでせいぜい現在+1%の上昇ぐらいが限界ではないかと思います。
(2)短期金利(1年以内):今後半年~1年ぐらいはほとんど変わらないと思います。その後2~3年で少しずつ現在+1%ぐらいまで上昇して、長期金利に近づいていくでしょう。そのうちに不景気になり、また現在+0.5%ぐらいまでに戻ると思います。
(3)ただし、消費税大幅増税するなど歳入を抜本的に増やす一方で、歳出を大幅に削減することにより、財政が大幅に改善することになれば、それ以上の金利上昇はありうると思います。それでも財政改革が完了するには、最低でもあと3年程度はかかるでしょう。
(4)貴殿は、今年10月に住宅ローンの金利見直し時期が来るということですね。住宅ローンは現在、銀行間同士で熾烈な争奪戦が繰り広げられていますので、多少金利が上昇しても、政策的に引き上げしない(例えばセットで新型総合口座作成すると●%優遇するなど)可能性が高いと思います。さすがに一時と比較すると、0コンマいくつの世界で上がっているみたいですが。これを契機に現在借入されている銀行以外での借換も、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?例えば期間を余裕をみて20年にし、15年固定金利3%未満で借換して、15年後に貯めたおカネで残金一括完済、といったように、ご自身の生活設計に合わせて、何年間で完済するかを計画して、その期間は固定金利にしてしまう、といった感じでしょうか。