昨今、化学肥料といえば環境や健康に悪い肥料で有機肥料で栽培すると健康にも良く環境にも優しいというような言葉を耳にしますが、まず環境面への影響についてですが、kurimusumeさんのおっしゃるとおり必要以上に施用したことが原因と考えられます。これは化学肥料の特徴に起因するところが大きいのでまず化学肥料のことについて説明します。化学肥料は製法や使い方等によりいろいろな種類に分類されます(この詳細についてはここでは省略します)。化学肥料は特定の養分(例えば窒素、燐酸、カリ、マグネシューム、カルシュウムや微量要素等)のみを含んでおり、(例えば硫安は窒素成分のみ重量で21%含まれています)このため、例えば特定の養分が欠乏したり、この成分が今必要となったときに使用します。また化学肥料は無機成分なので有機肥料のように微生物による分解過程を経ないため植物体への吸収も早く、このため種類によっては土壌中に溶出される時間をコントロールしてあるものもあります(被覆肥料、緩効性肥料)。
しかし、このことが環境面への悪影響を助長し、悪く言われている一因だと思います。なぜなら、成分量が多いため散布量を多くすると環境に悪影響を与えます。例えば硫安100kgを散布した場合、土壌中に施される窒素成分は21kgであり、この量全てが植物体に吸収される訳ではありません(というよりごく1部しか吸収されません)このため、大部分は土壌中から地下水等へ溶脱し環境汚染を引き起こす可能性が有ります。
また特定の成分のみしか含まれていないため、土壌中の養分構成が偏ることも考えられますし、微生物の餌も不足するため、いわゆる"死んだ土"になってしまいます。また例えば窒素成分の1つである硝酸態窒素がたくさん含まれている土壌で牧草を栽培しそれを牛の餌とした場合、中毒症状を起こすことが考えられます。
しかし最後のことについては何も化学肥料だから起こるというわけではなく、中毒症状の件については牛の糞尿を牧草地へ多量に散布した場合の事例として有名です。
有機質肥料は成分は有機体として存在している場合が多く、微生物等の分解を経て植物に吸収されます。また、単独の成分のみ存在していることはあまりなく、その成分量は化学肥料に比べ遙かに少ないです。このため、例えば菜種油粕を100kg/10a施した場合窒素成分は約5.2kg程度含まれています。また植物体へ吸収されるまでに微生物による無機化を経るため時間がかかり、さらに土壌温度により微生物の活動は異なりますので、地温による影響を多分に受けます。このため
元肥としては有効ですが、特定の養分が欠乏したり、この成分が今必要となった時に緊急に散布する肥料としては不向きです。
また、成分量は少ないとはいえ必要以上に施すと化学肥料と同じ状態になる可能性があります。
非常に前置きが長くなりましたが、化学肥料は化学肥料の特徴があり、有機肥料には有機肥料の特徴があるので、その特徴を十分に把握し使用すれば良いです。
お礼
経験的な回答をありがとうございました。 有機肥料だけでもできるというのは即効性に問題があると思っていたのですが こういう方法があるとはとても参考になりましたヾ(@゜▽゜@)ノ