私は映像の仕事をしています。PVとも関係があるので、わかる範囲でお話しします。
まず、PVの監督になる経緯としては、PVを作っているプロダクションに入り、そこで下積みをしながら勉強するというのが一般的です。プロダクションに入るには、経歴はいろいろですが、美大系や映像系は助けにはなるでしょうね。この仕事で大切なのは自分の考えがしっかりしていること(自分の世界を持っていること)、人とのコミュニケーションがうまくとれること、この2点におけるセンスです。
アーティストはもちろんのこと、アーティスト事務所、カメラマン、美術、スタイリストなどにちゃんと自分の考えややりたいことを表現できなくてはなりませんから、クリエイティブの才能とともに、人とうまくやれる才能も必要ということです。
下積みですが、「演出部」があるプロダクションで、いきなりその演出部に入れたらかなり幸運です。そうでなければ一般的に最初は「制作進行」という仕事でしょう。制作進行とは、スタッフのスケジュール管理、スタジオの手配、予算管理、食事の支度など、制作にまつわる雑務です。寝る間もないほどやることがたくさんあって相当きついです。
こうういった華やかな仕事は憧れる人も多いですが、多くの人がここで挫折します。忙しさは半端でない上、給料も安いですし。今はCDが売れにくい時代で1本のPVにかけるお金もとても少ないため(余談ですが、新人でまだ売れていないPVで、予算が1本50万なんてものもあります)、当然利益も少ないですからね。
その中でチャンスを見つけていかなくてはいけないわけですから、そういう意味ではちょっとのことではへこたれない根性も必要です。
もし、今からディレクターを目指しているなら、学生時代になるべく多くの映像作品を自分の作品集として作っておくことをおすすめします。また、コンクールなどに出品して賞をとっておくとなおいいでしょうね。
とにかく、やりたい人は山ほどいて、残る人はほんのちょっとということを頭においてがんばってください。
またなにか質問がありましたら補足してください。
補足
すばやい回答ありがとうございます。 かなり厳しい道のりのようですね。自分は映画のほうにも興味があるのでそっちも視野にいれているのですが、若くで芽が出るのはどれも大変なようです。あと質問なのですが、映画監督の岩井俊二氏なんかは普通科の大学をでてすぐPVの仕事で監督を務めてそれを経て映画を作って賞を取ったりしています。大学卒業からここまでの期間は約5年です。こういう人はもうただただ才能とか運なのでしょうか? あと自主制作でいろいろ作品を撮ってみたいのですが、なにしろ知識がゼロに近いので、具体的にどういうカメラを使ってなど、方法を教えていただけると嬉しいです。