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現存する中で一番古い原書は?
日本史で習ったのですが、古事記や日本書紀、あるいは源氏物語とか徒然草、それとか 「○○日記」 とか有名な書物が歴史上たくさんありますよね。 これらって、印刷技術なんて存在しない時代のものですが、当時何冊くらい発行 (?) されたのでしょうか? 作者が自分で筆で書いたからたった1冊だけ? あるいは自筆のものを参考にして何人かで手分けして書いたから数十冊、あるいは数百冊? それと今では古事記とか日本書紀なんて原書は存在しなくて、誰か (古事記の場合、本居宣長?) が後になってコピーしたものが現存するだけ、と聞いたような覚えがあるのですが、それでは原書そのものが現存する書物で一番古いものはどれなんでしょうか? また一般公開されているんでしょうか? それと、もし本居宣長が古事記をコピーしたものが今残っているとすれば、少なくとも彼は古事記の原書を目にしていた事になりますよね? では、当時その原書は誰が保管していたと考えられますか?
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古事記、日本書紀など、当時の権力者がまとめた歴史書は、書き記したものと考えればよろしいとおもいます。書物・・・かいたものしるしたもの 当時は印刷技術なんて日本にはないですし、この歴史書は当時の権力者が大切に保管していたのです。 日本書紀にあるように、蘇我氏の甘樫丘が、焼き討ちされたとき、蘇我氏が保管していた、日本書紀より古い「天皇記」「国記」も焼けてしまったほどです。 運良く、研究者などに、書き写された場合、つまり 国宝真福寺本古事記などのように、いろんな写本が あります。現在に伝わる古事記の写本は32本。 真福寺本古事記がもっとも古い。 http://www.neonet.to/kojiki/hajimeni/ 写本は和とじの装丁なんですが、もとの古事記の形はどのようになっていたのかは、今ではわかりません。 日本書紀自体は、当初は日本書記なんていわれていなかったといいます 書名ははじめ『日本紀』といった。『日本書』で下に“紀”を細書し,のちこれが合して『日本書紀』という書名になったとの説も。 http://www.tabiken.com/history/doc/O/O034C200.HTM 『続日本紀』以下五つの勅撰国史をあわせて,六国史と呼ぶ正史の筆頭とされる。 この日本書記などは、多くの学者により研究され 多くの写本が現存しています。 つまり、原本は大切にしまわれ、研究者により写本され現在に至っているのです。 もちろん、写本の写本がほとんどかもしれません。 紫式部にしても、源氏物語の作者といっても、女流作家を気取っていたわけでなく、それで、プロとして食べられたわけでもなく。 平安時代に書かれた書物の作者自筆本が残っていることは極めて稀である。『源氏物語』についても、紫式部自筆本はおろか、平安時代に書写された『源氏物語』の伝本や古筆切の断簡一葉ですら、現在までのところ発見されていない。 http://www.nijl.ac.jp/events/exhibits/genji/ 書写によって流布していく書物は、転写の過程において、書写者の恣意的な改竄や不注意による誤写・脱字などが生じてしまうことは往々にしてある。とあります。 興味がある人が、元の書物を書き写し、自宅で熟読した、それらが広まって言ったという程度のもの 、『古今集』『伊勢物語』『更級日記』など平安朝文学の主な作品は、多く定家書写の系統が流布本になっている。と、あります。 多くは、読み手や研究者により書き写されて広まっていくわけです。 現在では、それらのいくつかの写本や注釈本を読み比べ、自分なりにその本筋はなにかを探求するのも 古典を読む楽しみのひとつかもしれません
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- m-tahara
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日本では昔(桃山期以前)はほとんどの場合手書きしかありませんでした(奈良時代の百万塔陀羅尼など印刷もごく一部ではあり)。 ですから原本は一冊であると考えられます。 仏教経典に関しては奈良時代には国家事業や金持ちの寄進として大量の寄進が行なわれたため国にも写経所という組織がありましたし、同一のものを手書きで多数複写していました。 それ以外の書物は基本的には読もうとした人間が元となるものを借りてきて書写するのが普通でしたのでそれ程多数の複写はなかったと思われます。現存する写本に平安時代のものがほとんどないことでもそうだと考えられます。もっとも、更級日記などによると平安中期には子供時代に源氏などの物語を読んでいる話が出てきますので、ある程度は写本が流通していたのかもしれません。 古今和歌集は一番古い写本(高野切)でも11世紀、書かれてから100年以上は後のものしか残っていません。これにしてもほとんどは一首毎に寸断された状態で、全体のごく一部が残っているだけです。 中にはもう室町時代以降の写本しかない、という書物もたくさんあります。こういったものは、大抵既に何回かの転写を通したものです。 本居宣長の時代には原本が残っていたもの、というのは既に少なかったでしょう。 ちなみに、原本で一番古いもの、ということであればおそらくは天皇家が現在でも所有している(御物)聖徳太子直筆の「法華義疏」でしょう。飛鳥時代まで遡ります。まあ、これが本当に真筆かどうかは絶対、と言えるものではないのでしょうけれど。 他に有名なところでは藤原家本流の近衛家が所蔵していた(現陽明文庫所蔵・国宝)藤原道長直筆の日記「御堂関白記」なども原本です。 こういった原本や古い写本は、時折(数年に一回位)種々の展覧会で展示されます。 特に東京・京都・奈良・九州の国立博物館はこうしたものの所有、展示の機会が多いので、これらのサイトで展示作品(主要なものはどこでも展示時期と作品が紹介されています)をチェックされると、実物を拝観できる機会も出てくるかと思います。
お礼
有難うございました。聖徳太子の直筆といわれるものが残っているんですねえ。千数百年も前の人が書いた字が残っているんですから、考えればすごい事ですよね。 今回の質問をとおして古いものに興味がわいてきましたので、一度展覧会に行ってみる事にします。有難うございました。
- finneganswake
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記紀、枕、源氏はすべて写本でしょう。オリジナルってのは少ないと思うよ。 しかもコピーにも結構、手が加えられているわけで本当のオリジナルではないよね。 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2001Hazama/07/7118.html ここを読むといいかも。源氏ですらもう「系等」がある。 だから、死海文書(聖書)なんかのときに神学としても考古学としても騒いだわけだけど。興味があったらそっちも見てみるといいかも。エヴァンゲリオンのネタが多くて、探すの面倒だけど。
お礼
有難うございました。 学校の授業ではいかにもオリジナルが存在するかのように教えられていましたが、考えれば原本とは全く異なる内容を教えられていたのかも知れませんね。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 詳細な解説、有難うございました。 古事記についてなんですが、本居宣長の研究が最も権威があるというような説明を学生時代に聞いたような記憶があるのですが、ある意味、彼の創作に近いものだったんですねえ。 初めて知りました。 それとコピーというか書写する段階で適当に改竄されるケースもあるというのも興味深かったです。 これらを考えると、もしかすると一字一句オリジナルのまま保存されている古書なんて一冊もないかも知れませんね。