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ハイテンション鋼(ハイテン鋼)
ハイテンション鋼(ハイテン鋼)とは、どのように生成されるのでしょうか? 最強の金属と言われている素材の作り方が知りたいです。
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まず、ハイテンション鋼 は、一般に 高張力鋼 とも 表現されます。 高張力鋼とは 引張にも圧縮にも強い、強度の高い鋼であり、変形がしにくいものである。 引張強さ50kg以上を高張力鋼と呼ぶ(それ以下は軟鋼)。 水圧に対しても、もちろん強くなる。 この強さは、鋼の結晶にマンガンやシリコン等の元素を入れることなどによって生じる。 高張力鋼のメリット 使用する鋼材の量が少なくて済むということ。より高い強度を得たければ鋼材の厚みを増すというのも一つの方法だが、それでは重くなる一方で、高張力鋼を使えば軽量でそれだけの強度が得られるということ。具体的には、少しでも自重を軽くしたい橋梁とか、環境保護の観点から、低燃費化を進める自動車用の鋼板などに、魅力的な材料となっている。高張力鋼を使えば、軽量化が可能となるわけだ。 高張力鋼の製法 鉄の強度を増す手段(製法)には次の2通があり、一般には併用される。 (1)鉄にマンガンやシリコン、ニッケル、モリブデンなどの合金元素を添加する。 (2)焼入れをする(焼入れをすると、鋼が脆くなるので、焼き戻しを併用する)。 製法としては合金元素の添加と焼き入れ、焼き戻しと言う熱処理で組織を制御して強度および靱性(欠陥からの破壊に対する抵抗力を表す)を高める。 単に、強度を高めることは、それほど難しくはない(いろいろな手段がある)が、溶接をしたり、溶接をしても靱性を確保するために元素の添加法、熱処理の仕方等にいろいろな工夫がされている。 一般に、引っ張りに対する強さと圧縮に対する強さはほぼ等しい。 軟鋼との違いは主に成分に有る。通常の軟鋼に対して高張力鋼はその金属の化学成分内にNi、Cr、Mo等が含まれることにより引張強度が上げられている。
お礼
かなり詳しい説明で、読むだけでも結構面白いですね。 ありがとうございます。うれしいです。