結婚時の誓約書(慰謝料及び財産分与の権利放棄)

質問

婚姻届の前に慰謝料及び財産分与の権利放棄を旨とした誓約書を相手に書かせると、いざ離婚というときに、忌々しい相手に慰謝料を払ったり、財産を分けたりする必要は発生しますか？、その誓約書は有効でしょうか？

回答No.1

patent123

法律カテゴリーの方が、適切なようにも思えます。

さて、慰謝料と財産分与に分けてお答えします。

慰謝料の根拠条文は、民法７０９条であり、浮気をしたというような不法行為の責任が問われる場合に慰謝料が発生します。単に離婚するだけでは慰謝料は発生しません。

一般論として、事前に被害者が承諾していた場合に、不法行為の成立が阻却される場合があると解されています。もっとも、公序良俗違反の承諾では、不法行為の責任を阻却しないとされているようです。

例えば、手術の際に、責任を問わない旨の承諾書にサインをすることがあるでしょうが、このような事前の承諾の効力は、通常は認められないようです。

特に、裁判例を知っているわけではないのですが、個人的には、手術のときの承諾書と同様に、慰謝料は請求しない旨の事前の承諾の効力は認められないと考えます。

財産分与についても、一切、相手に財産を譲らないというのは、公序良俗に違反して、無効ではないかと考えます。