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球形の導体を地中に深く埋めた場合
こんにちは!大学一年のものです。 いつもお世話になっています。 電磁気の問題なんですが、 半径aの球形の導体を地中に深く埋めた場合の接地抵抗を求める(大地の導電率σとする) のですが、この場合、解答は電位vと電流(i=σEよりiを求めI=∫ids)を求めてオームの法則を使って出すと思うんですが、 このとき電流Iって、どこをどのように流れているんですか?? ご回答よろしくお願いします。
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もう一方の電極は、無限遠点にあるとして考えればよいのです。 図1のような金属の箱を持ってきて、中を土(別に土でなくてよいですが)で満たします。土はもちろん均質であるとします。 ┌─── ───┐ │ │ │ │ │ │ └───────┘ 図1 金属の箱 続いて、中に金属球(半径r)を埋めます(図2)。金属球は箱に対して十分小さいとします。「箱は金属球に対し十分大きい」と表現した方が分かりやすいかも知れません。 さらに金属箱と球から電極(それぞれA, Bとします)を取り出します。このA-B間の抵抗を「金属球の接地抵抗」と呼んでいます。 A B ┃ ┃ ┌─┸─┃───┐ │ ┃ │ │ ● │ │ 金属球 │ └───────┘ 図2 金属球の埋設と電極の取り出し 金属箱は十分遠方にありかつ等方的と見なせるので、金属球を出発した電流も等方的に拡散していきます。 ここまで読めばひらめくと思いますが、もし分からなかったなら以下の「続き」を参考にしてください。 ------ いま、金属球と中心を共有し半径がxであるような球面Pを考えます。またそれより半径が少しだけ大きい(x+Δx)球面Qも考えます(図3)。電流は等方的に拡散するので、これらの球面を常に垂直に貫きます。 / ̄\Q // ̄\\ ||P● || \\_// \_/ 図3 中心を共有する曲面 球面P上での電流密度をi(x)としましょう。上に述べたように電流分布は等方的(球対称)でかつ球面を垂直に貫きますから、これに球面Pの表面積をかければ全電流になります。 一方土は均質ですから等電位面は球面群で構成されます。すなわち球面Pの表面はすべて同電位です。球面Qについても同じです。球面Pの電位をE(x)としましょう。 球面QとPで挟まれた薄い空間内の伝導について考えてみましょう。次の式が立てられます。 i(x) = σ{E(x+Δx)-E(x)}/Δx (1) 二つの球面の電位差E(x+Δx)-E(x)を距離Δxで割ったものが電界(の強さ)です。これにσをかければ電流密度です。 一方、i(x)に球面Pの表面積をかければ全電流Iになります。 I = i(x)・4πx^2 (2) これを(1)に代入します。 I = 4πx^2・σ{E(x+Δx)-E(x)}/Δx (3) Δx→0とすれば微分方程式になり I = 4πx^2・σ(dE/dx) (4) これはすぐ解けて E(x) = - (I/x)/(4πσ) + E0 (5) を得ます。E0は積分定数です。 金属球表面の電位は(5)から E(r) = - (I/r)/(4πσ) + E0 (6) であり、無限遠点の電位は E(∞) = - 0 + E0 (7) です。差引きすればA-B端子間の電圧になります。すなわちI/(4πσr)です。 電圧をI/(4πσr)かかった状態で電流がI流れているのですから、A-B間の抵抗、すなわち接地抵抗は1/(4πσr)と求められるわけです。
お礼
テストがあったためご返事遅くなってホント申し訳ございません! とても分かりやすい回答ありがとうございました。 とても参考になりました。