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マルチバイブレータ回路の動作原理
マルチバイブレータ回路がなぜ交互に電流を流すのかわかりません。どうやらコンデンサーに蓄えられている電荷量が変化しているらしいことはわかりましたが、「交互に」というのがいまいち理解できません。どなたかわかりやすく説明してください。お願いします。
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>> コンデンサ電荷の変化らしいのはわかった、 しかし交互というのがいまいち << ↓これですね。 http://www.technologystudent.com/images4/multi2.gif 1. ↓弛張(しちょう)発振を理解するときの定番のモデルです。 http://www.suginami.ac.jp/club/pcc/hoshino/img/shishi.GIF 中央で静止しないわけは、流れ出す慣性のために重心移動の変化に即応できず、行き過ぎる(水の捨て過ぎと補充し過ぎ)るからです。チョロチョロ流し込む時間が振動の周期になってます。 これを二つ背中合わせにした↓が、マルチバイブレータのモデルです。 http://www.bousaihaku.com/bousaihaku2/images/announce/prevention/18_2.jpg 水は全部こぼれる=徹底した行き過ぎです。 これも下図のように重心移動してます。B側が下がるとBの水が全部こぼれ、Aに注水されるので重心がA側にじわじわ移動、やがてシーソーが反転します。 | | ┌→→●B |A●→→→→┘  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄変位 | | ┌←←←←●B |A●←←┘  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄変位 一般に、動きに行き過ぎ(あるいはガタ)がある系なら何でもこのタイプの発振を起こせます。例えば電磁石ベルは鐘を打つハンマーの慣性質量とコイルのインダクタンス(電気的慣性)が共に行き過ぎ役を担当してます。 2. ↓回路図 http://tsystemselectronics.com/images/products/astable-multivibrator.jpg http://www.mononagrove.org/mgonline/electronics%20stuff/talkingelectronics/Page%2017_files/Multivibrator-flash-complete.gif ( 余談ですが念のため; もともとFlipFlopはambiguousな日常語で自走マルチをも含意してます。なのでformalな表現では、端的に bistable circuit 双安定回路 と言います。 ) 閑話休題。 半分の図です。 電 源 電 圧 | │ Rc Rb↓ Rb電流が水チョロチョロ。 | | | | 右トランジスタのベース。 ├─C─┴─┐ ベースは整流器であり | │ 電位は+側に上昇できない。 \ ▽ しかしマイナス側に下が | | るのは自由。 ┷ ┷ 左側のトランジスタ。 接地したり離したりしている。 上図は離れてるのでCはRcで充電される。 その充電電流はRc→C→ベース→グランド。 Rcは小さくしてあるので充電は素早くて 電位は 短時間に電源電圧まで上昇する。 ↓ そのあと左トランジスタがオンすると、 電 源 電 圧 | │ Rc Rb↓ Rb電流は水チョロチョロ。 | | | | ├─C─┴─┐ ベースは整流器であり | │ 電位は+に上昇できないが | ▽ マイナス側に下がるのは | | 自由。 ┷ ┷ 左トランジスタがオンすると、 (*) コレクタの電圧が電源電圧からグランドに急降下す るので Cを通じて 右のベース電位も同じく急降下する。 今までプラス電位ギリギリだったのがマイナス電位に 急降下するので右トランジスタはオフする。 その後、 ししおどしの水チョロチョロと同じく CはRbでチョロ チョロ充電される。ベースの電位が回復すると今度は 右トランジスタがオンして 上記の(*)の所に戻り、 左右の立場が入れ替わって繰り返す。 以上です、電子回路に慣れてない人にとっては、Cが縦になってないだけで もうワケワカかも知れませんが。 3. 上記の「電圧が急変化するとCを通じて反対側も同じ変化が…」の理由の説明。 キャパシタ両端の電位差 V と蓄積電荷量 Q は単純に比例関係です。 V ∝ Q 時間微分して dV/dt ∝ dQ/dt = 電荷の変化速度 右辺はキャパシタを通り抜ける電流であることはおわかりと思います。 dV ∝ (通る電流)dt …(3.3) 式を 『 もし通る電流が一定な状況ならば、変化時間dtが小さいほど電圧変化dVは小さい 』 と読みます。 これによれば、 トランジスタが急激にオンして急降下する電圧波形が キャパシタの片端に加わると (両端の電圧は殆ど変化しないので) 反対端にほとんど同じ急降下波形が現れる、となります。 その際の「通る電流」は 急降下電圧振幅と キャパシタの反対側に居るRbで決まります。 端的に言うと「キャパシタは変化分だけを通す、直流は通さない」です。 ということで、 意外でしょうが この瞬間のキャパシタ電荷は殆ど不変ですので、電荷∝水量 のアナロジーは成り立ちません。そのアナロジーにこだわると正しい理解に至れませんので要注意です。 「しし脅しの水量」に対応してるのは「キャパシタの電荷」じゃなくて「キャパシタ片側をグランド基準に見た電位」なのです。その正負に応じてトランジスタスイッチがオン/オフします。 また、「水が全部こぼれる行き過ぎ」に対応してるのは「ベースの電位が負に大きく急降下する」ところです。 4.以下余談 トランジスタのスイッチ動作は、 部屋の壁に付いてる電灯のスイッチに似てまして、 http://www.411homerepair.com/ideas/Electrical_Wiring/pic/wallSwitch.gif http://eed.stef.teicrete.gr/labs/epsl/site%20pic/clipart_wallswitch.jpg 指で上下させる出っ張りがベースの電位のようなものです。 グランドより上だと接点がつながる。 グランドより下だと接点が離れる。 と、 単純なものです。 発振回路のタイプは、 バネと質量の共鳴振動を利用する Harmonic Oscillator、 行き過ぎや弛(たる)みを利用する Relaxation Oscillator に大きく二分されます。 前者の代表例は水晶。原子レベルの結晶格子の振動そのものではなくマクロな形状の共振です。 後者の和名は 弛張(しちょう)発振で、代表例がこのマルチバイブレータです。 マルチバイブレータ回路は「最初の一撃」がないと動き始めません。それは電源の素早い立ち上がりです。もし電源電圧がゆっくり上昇すると起動しません。そのプロセスは; 電源の上昇による d(電源電圧)/dt の電流がキャパシタを通って両トランジスタのベースに流れ込み、両トランジスタは普通のアンプの状態になります。こうなれる程度にベース電流がないと、つまり電源電圧変化が速くないと、起動できません。 で、アンプなので両方とも相手から来たのを反転拡大して相手に渡します(コンデンサは変化するものはそれなりに通します)ので、些細な動きが加速的に拡大されて、大きな動き つまりどっちか片方が完全オンで他方が負けて完全オフになります。これが起動です。 この「些細な動きの急拡大」は反転のたびに起きます。 抵抗値が 十分に Rc<Rb であることも必要です。 そのわけは、オフ時の Rc充電が終わる前にオンになると コレクタ振幅が小さい。 続くRb充電の時間内に前回よりRc充電が不足だと、次回の振幅がさらに減り、やがて発振が止まってしまうからです。 なお、「最初の一撃」が無くても立ち上がれる弛張型もあります。 エレクトロニクス的な解説は検索すれば豊富にありますが不肖私の回答の中から; ↓周波数の詳細を話してたようで。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=692084&rev=1 ↓「木を語るのか森を語るのか」 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1386547&rev=1
その他の回答 (1)
- angkor_h
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一言での説明は、ここ々では無理です。 「マルチバイブレータ」でインターネット検索してください。すぐに解説サイトが出てきます。 種類も、無安定、単安定、双安定があります。 用語検索は自分でしましょうね、なるべく。
お礼
お礼が送れて申し訳ありません。 検索するとサイトは複数あるのですが、知識と理解がついていきません。 もう少し調べてみます。
お礼
非常に詳しい回答をありがとうございます。 しばらく考えて見ます。 なんとなくわかったような気がしますので、あまり深入りせずに、いくつか回路を組んでみようと思います。 電子回路は奥が深いですね。