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純鉄の残留応力除去焼きなましについて
鉄鋼の残留応力除去焼きなましはA1変態点以下の温度で行うとあります.例えばS45Cですと,600℃程度で行うことになります. しかし純鉄にはA1変態点がありません.この場合,純鉄は残留応力除去焼きなましは不可能ということでしょうか? ご回答よろしくお願いいたします.
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- Ivane
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こんばんは。 熱処理などは一応実務で行っていおります。 先の方のご回答と併せて参考になさってください。 「残留応力除去焼きなまし」・・・本来は金属材料が受けた熱処理により発生した応力だけでなく、機械加工、鍛造等、各種の応力を除去するのが目的です。 結果からお話すれば、純鉄の「残留応力除去焼きなましは」不可能では有りません。熱処理による残留応力は無視できます。しかし、純鉄の場合、製品化(各素材的形状に加工する)するために諸所の冷間加工で発生した残留応力が、転移、空孔等の格子欠陥の形をとり金属結晶内に蓄積されます。これを再結晶させ、結晶内の欠陥を回復させる為行います。 機械的性質は、純鉄の加工の度合いに鋭敏に反映しますが、実際は工業用各種純鉄(炭素0.02%以下)の場合、420℃から460℃で行われます。 結構冷間加工の応力は、人間の感覚として認知できるくらいの引張強度や硬度の変化が起きます。やはり応力除去は行います。 Fe-C状態図の低炭素部分の詳細をアップできなくて難儀ですが、 炭素0.01%についてですが、420℃以上をもって行うのが適正かと思います。
- D-JAGA
- ベストアンサー率28% (39/139)
うろ覚えな知識から説明しますので、間違っている部分があるかもしれませんが、よろしければ参考にして下さい。 まず、焼きなましについてですが、これは、焼きいれなどで細かくなっていて不安定になっている結晶の集まり(結晶粒)を、物質的に安定させるために、その結晶の集まりを大きくする作業です。そのため、純鉄でも焼きなましはできるはずです。 鉄(炭素鋼)というのは、温度によって、又、凝固時の温度、冷却速度等々により変態します。 ここで、焼きなましによって変態を起こしてはならないわけですから、0.02%以上炭素の含まれている炭素鋼が、一斉に変態する温度であるA1変態点以下の温度で焼きなましを行わなければないのです。 だから、純鉄を焼きなましをするときは、鉄-炭素状態図を見ればわかりますが、最初の変態する境界線の温度以下(A1点より低いです)の温度で焼きなましをすることになります。
補足
ご回答ありがとうございます. つまり0.01%Cの純鉄の残留応力焼きなましは鉄-炭素状態図でいうと約600℃でよいということでしょうか?
お礼
大変参考となるご意見ありがとうございました. また機会がありましたら,よろしくお願いいたします.