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四肢の遠位の骨について
上肢の前腕には尺骨と橈骨 下肢の下腿には頚骨と腓骨 と、2本の骨がある生物学的意味はなんでしょうか…。進化の観点からでも、発生学の観点からでも、力学の観点からでもかまいません。1本より2本のほうがいいということはあるんでしょうか。
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遠位という言葉をお使いですから,医学系の方かと思います。確か手と足では反対だったような…? 解剖学で尺骨や頸骨を中心として橈骨や腓骨がねじれることにより手足は回転できることは教わったことと思います。 ご質問は,なぜそのようになったかと思いますが,大変難しい問題と思います。多指型の動物はすべて絶滅してしまいました。なぜ,現在のような5本指で橈骨・尺骨のある動物だけが生き残ったのか確定した定説はないように思います。以下に自分の私見を含んで述べたいと思います。 陸上に上陸しました動物の足の付き方は,足が胴体の側方につく側方型です。現在のホ乳類のように胴体の下に付く下方型ではありません。また,蹠行性(せきこうせい)と言いまして,足裏全体を地面につけてゆっくりと歩きます。 さて,足の短い側方型で蹠行性の動物は,歩幅を補うために体を左右にくねらせて歩きます。ここで腕立て伏せの格好でハイハイしてみてください。腕は回転した方が歩きやすいことがおわかりになると思います。 一方,下方型の蹄行性(ていこうせい)の動物は,足指の爪先で立って歩きます。馬が代表的です。これらの動物の足は回転する必要が無くなりました。そのために,馬では橈骨と尺骨・腓骨と頸骨が融合して一本になっています。 動物が陸地に上陸を果たしたとき,重力に打ち勝つための四肢の強力な筋力は発達していなかったはずです。ですから,いきなり馬のような下方型の蹄行性動物は出現できなかったでしょう。そう考えますと,重力に打ち勝って歩くためには必然的に現生動物のようにならざるを得なかったのではないかと思います。 発生学的には四肢の発生は大変興味深いものですね。その辺は下記のURLが参考になりましたなら。残念ながら内容について解説するに十分な基礎知識がありません。 http://www.kawasaki-m.ac.jp/molbiol/MS4/hoxlimb.html
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尺骨と橈骨が端で癒合した奇形の人は手のひらを回転できないので、手のひらを上に向ける「ちょうだい」の動作ができないそうです。
お礼
骨が二つあることで、前腕は外旋運動ができるのですね。 (一方下肢は下腿のみの外旋運動ができないですよね。まわそうとすると大腿まで回ってしまいます。この事実も進化の過程ととらえるべきなんでしょうかね。)
面白いクイズだと思って想像してみました。根拠なしですよぉ。 ◎骨が折れると大変。野生動物だと1本より2本の方が生き残る確率が少しでも高い。 但し、友人がひ骨を折ったときは医者にひ骨はなくても何も問題ないんだけどと言われたと言ってました。 ◎2本あれば1次元構造から3次元構造にまで拡大可能。 ○他の関節や筋肉の協力を得られて2本の相対的位置を変える事ができれば(平行からねじれの位置など)複数方向の外力に対応しうる。 ○同様に膝や肘(これは4つ足の場合)への負担も一箇所に集中させなくてすむ。 ○手首や足首を動かす筋肉はできるだけ離れたところを起点とするとそれだけ動く範囲が広がる。(マリオネットを考えても糸が離れている方が動きがダイナミックになる。)かといってその分骨が太くなると重くなるので不利。2本に分けた方がよい。
お礼
回答ありがとうございます。 いろいろ考えてくださって、しかもどれもうなずけます。
お礼
なんとなくつかめてきました。陸上に上がる過程では、蹠行性であるがゆえに、2本の骨による回旋運動が有利だったこと。しかしさらに進化したものの一部は、回旋運動を用いずに歩けるような四肢のつき方になったということ。それに応じて2本骨システムは、それらの動物においては退化しているということ。 ひょっとするとヒトの上肢は蹠行性で、下肢は蹄行性なのでは、と思います。下腿のみの外旋はできないし、下肢だけなら馬のように歩けるからです。進化すれば下腿の2骨は癒合するかもしれませんね。