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ジボランによるカルボン酸の還元について教えてください(量論式)
- 有機カルボン酸をジボラン還元する方法について詳しく教えてください。
- カルボン酸1モルに対してジボランは何モル必要なのか教えてください。
- ジボランによるカルボン酸の還元における副生成物と参考URLも教えてください。
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一般にヒドリド還元においては、ヒドリド(H-)がカルボニル炭素を求核攻撃し、Bはカルボニル炭素と結合を作るような形で進みます。 ただし、カルボン酸の場合にはカルボキシル基とBH3との反応によるH2の発生が優先すると思います。 すなわち、BH3は酸に対して弱い反応剤だからです。 したがって、第1段階としては、 R-C(=O)-O-BH2が生成していると思います。 この状態で、-C(=O)-O-の部分が別のBH3によって還元され、最終的に R-CH2-O-B<になるのだと思います。 これを後処理で加水分解することによってアルコールが得られることになります。 はじめに生じたR-C(=O)-O-BH2の中のBH2は、他の分子の還元に使われることになると思います。 なお、実際の反応機構とは異なるでしょうが、 6 R-COOH + 2BH3 → 2 (R-COO)3B + 3H2 の反応(カルボン酸によるヒドリドの分解)と、カルボキシル基のヒドリド還元が起こっていると考えることもできます。 また、カルボン酸やアルコールの-OH基はBH3と反応します。たとえば、 6 R-OH + 2BH3 → 2 (RO)3B + 3H2 といった反応も起こります。 この生成物を加水分解するとアルコールに戻ります。つまり、BH3が消費されたにもかかわらず、アルコールは還元されていないことになります。(厳密に言えばヒドロキシル基のHが還元されたことになりますが) 要するに、この手の反応とヒドリド還元の両方が起こっているから当量関係がややこしくなっているのです。 話は変わりますが、エステルをLiAlH4で還元すると、2種類のアルコール(エステルのカルボン酸側由来のものとアルコール側由来のもの)が生じます。 しかしこれらのアルコールはいずれもLiAlH4と反応して水素を発生します。したがって、その分だけ余分のLiAlH4が必要になります。 これも今回のケースと似た例と言えるでしょう。生成物との反応も忘れてはなりません。 ・・・慣れないとややこしいですね。
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R-COOH → R-CH2OH の反応において、Cの酸化数は+3から-1に変化することになりますので、その変化は-4になります。 それに対して、この場合の還元剤はヒドリド(H-)であり、それがプロトン(H+)になることによって還元が進むことになり、その際の酸化数の変化は+2になります。 還元される側に関しては、R-COOHのH+とボランのH-からH2が発生することも考慮する必要があります。 これらのことを考慮すれば、ボラン換算で1:1の割合で反応すると考えられます。 この反応において、どのようなホウ素化合物が生じるかについては、よくわかりませんでしたが、下式のように、メタホウ酸エステルが生じているのではないでしょうか。 反応後の処理で加水分解され、アルコールとホウ酸(H3BO3)になるのだと思います。 R-COOH + BH3 → H2 + R-CH2OBO
補足
ご親切なご回答ありがとうございます。 R-COOH+BH3→R-COーO-BH2+H2↑ + - ということでしょうか? 機構1:C+にBH3から脱離したヒドリドが求核置換しカルボニル炭素がCHになると理解しました。 O R-CHーOーBH2 それとも 機構2:カルボニル酸素にBH2が付加しヒドリドはカルボニル炭素につくのでしょうか?そうすると水素は出ません。 OーBH2 R-CHーOH 実験では、水素と考えられる”泡”が出ているので機構1で進んでいると思います。 機構1ではこのあと、ヒドリドがカルボニル炭素に付きCH2になると思いますが、そのときのヒドリドはBH3からくるとすると、カルボン酸に対し、ボランは2モル必要なのかと連休中考えていました。 機構2では説明が思い当たりません。 有機は勉強しても、暗記に頼ってばっかりでなかなか応用が身に付きません。 補足などありましたらよろしくお願いします。
お礼
ご親切にありがとうございました。 よく勉強します。