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戦後史を学べる本

今19の浪人生です.日本の戦後史についてほとんど無知で、今の政治・経済問題をなかなか理解できません.例えば、民主党の小沢氏の動き、日米安保と9条、バブルと負債などなどです。そこで質問と言うか、何かこういったことを学べる良書を教えてください.

質問者が選んだベストアンサー

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  • Ganymede
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回答No.4

サイトではなく「良書を教えて」というご質問に、感心しました。ネットには扇動的なガセネタも多いし、ジャンルにもよりますが、良書を読んだ方がいい場合がありますね。また、「戦後史は入試にあまり出ないよ」と混ぜっ返す回答者もいるでしょうが、ibook_g4 さんの志望大学では出るのかも知れません。それに、「今の政治・経済問題」を理解したいという知的態度は、広い意味で論述問題・小論文などに役立つかも。 ただし、短時間で読めるように、大部の本より新書などがいいでしょう。「サクラサク」までは、片っ端から本を読むようなヒマはないと思いますから。 (1)民主党の小沢氏の動き 『日本政治の対立軸―93年以降の政界再編の中で』(中公新書) 大嶽秀夫 (著) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121015010/ 小沢一郎一人をフィーチャーした本は、「宣伝本」あるいは「攻撃本」に堕している恐れもあるので、より広い視野で書かれたこの本などが良いでしょう。出版後の最近の小沢情報は、ニュースのデータベースで補うとよいでしょう。 沖縄タイムス記事データベース http://www.okinawatimes.co.jp/com/dbinfo.html 1997年1月1日以降の記事を、ただで検索できます。共同通信の記事も含まれるので、ローカル紙とはいえ、全国紙と比べて大きな遜色はありません。「小沢一郎」で検索すると、千件以上の記事がヒットします。 (2)日米安保と9条 『安保条約の成立―吉田外交と天皇外交』(岩波新書) 豊下楢彦 (著) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004304784/ 憲法9条と日米安保は、「奇妙な抱き合わせ」でした。9条を忠実に解釈すれば「非武装中立」が導かれることは、憲法学者多数の説でした。それに対し、9条の廃棄、自主武装を唱える人たちもいました。 しかし、非武装中立も自主武装も、非現実的だったのです。実際は、9条と安保を「抱き合わせ」にして運用する政策が、戦後の日本に繁栄をもたらしました。そのために、日本政府は9条を都合よく解釈しました。 この辺の事情を理解するには、例えば、つい先日亡くなった後藤田正晴を思い出してみましょう。後藤田は旧内務官僚・警察庁長官を経て、遅く政界入りした人です。田中角栄に抜擢され、中曽根内閣で長期に渡って政権の中枢にいました。今年に入ってもテレビ出演などをこなし、9条のありがたさを説いて、条文改正に慎重な態度を示しつつ、世を去りました。 「安保のお陰でアメリカの核の傘に守られ、9条のお陰で戦争に行かずに済んだ」。これは、左翼の空想的平和主義というより、保守主流派の現実的な計算だったのです。米国はしょっちゅう戦争している国なので、日本に9条が無ければ、付き合いで何度か参戦しなければならなかったでしょう。 しかし、時代は移り変わっていきました。既に冷戦時代、中国は中ソ対立の激化から、西側諸国との関係改善に踏み切り、日米安保を容認して、安保反対の日本左翼に衝撃を与えました。また1980年代、中曽根「臨調・行革」路線の頃には、「保守勢力は守旧派、革新勢力は改革派」という図式が成立しなくなりました(新自由主義による改革)。90年頃に冷戦が終結し、十数年を経た今では、保守勢力で「新保守」がますます流行し、「反・自民」勢力でも改憲(または「改憲」という言葉を避けて「創憲」などと言う)を求める人が増えています。 「鉄のカーテン」が開いた80年代末以降は、冷戦時代のスキャンダルが次々に明るみに出ました。例えば、日本社会党がソ連政府筋から、自民党がアメリカ政府筋から資金援助を受けていたことが、暴露されました。まるで漫画みたいな話ですが、このことが象徴するように、冷戦後公開された文書は、左翼の欺瞞も保守の虚飾も暴いたのです。 豊下楢彦の『安保条約の成立』は、保守派が好む美談――吉田茂は大宰相で対米外交も巧みだった、天皇は戦前戦後を通じて政治に口出しをせず平和主義者だった――を、新たに発見された文書によって、突き崩した本です。 (3)バブルと負債 『マネー敗戦』(文春新書) 吉川 元忠 (著) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166600028/ 大きな話題を呼んだ本で、「マネー敗戦」という言葉は流行語にもなりました。 以上、3冊の新書を挙げてみました。それでは、受験勉強も頑張ってください。

その他の回答 (3)

  • dollar
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回答No.3

No.2さんが挙げている戸川猪佐武の「小説吉田学校」全8巻は、終戦から鈴木善幸内閣の総辞職までを扱った小説です。戦後政治史を知るにはうってつけだと思います。 なお、その作品は漫画家もされております。さいとうたかをの「大宰相」全10巻です。割と原作に忠実に書かれているそうなので、時間がない場合はこちらでもよいと思います。「大宰相」はちょうど今、コンビニで廉価版として「自民党総裁」というタイトルで売られています。 ただ、この作品は鈴木内閣までしか扱っていませんので、もっと後の時代まで扱っているものを挙げておきます。 星浩「自民党と戦後」は、戦後の自民党史に絞って書かれたもので、「小泉内閣は田中角栄の作った金権政治を打破しようとしている」という歴史観で貫かれています。かといって小泉さんを完全に支持しているわけでもなく、ある程度は公平な立場で書かれてますので、おすすめです。 自民党だけでなく、政治や経済やら国民生活やら、全体的な歴史を学びたいというのであれば、中村政則「戦後史」などがよくまとまっていると思います。 質問者さんが若い方で、受験勉強が得意だった方なら、受験参考書としては(おそらく)唯一の戦後史専門書である船山英樹「日本戦後史講座 日本史得点倍増計画」をおすすめします。これは受験生用なので、他の本よりはるかによくまとまっています。

  • nourider
  • ベストアンサー率19% (396/2083)
回答No.2

いろいろな本があるので片っ端から読んでみることを勧めます、1冊にまとまっているものはあまり期待しないほうがいいでしょう。 戸川猪佐武の「小説吉田学校」シリーズなどおもしろいかもしれません。戦後史といっても戦前から続いているのでもうちょっと前からの視点も必要だと思います。占領政策のために戦前からの官僚機構は温存した占領軍(GHQ)当時のアメリカ国内の社会主義思想の流行による日本への影響など、占領軍のなかでの主導権争いなど、面白いネタはいっぱいあります。

  • daisyan
  • ベストアンサー率46% (64/137)
回答No.1

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