生物の研究者です。
第六感について研究しているわけではありませんが
私の考えを述べます。
「第六感」というのは脳の情報処理感覚だと思います。
感覚器は受容体であり情報を選択しているわけではありません。
視覚を例にします。あなたが壁にかかった時計を見た時、
時計しか認知していなと思います。意識していない限り、
壁の色やその他のものは認知していないですよね。でも、
見えていないわけではないんです。眼球からは壁の色だって
視覚情報として脳へ送っているんです。それが脳のはたらきによって
必要あるものとないものに選択されて意識となるんです。
この時計を見るという行為でも「第六感」は説明できます。
普段、時計を見るという行為は何時か気になるという意識がひきおこしています。
でも、たまにふいに時計を見て時刻を見たとたんに忘れていた用事を
思い出すといったことがありませんか?あれが「第六感」の仕業です。
人が貯える情報量は膨大なものがあり、常に脳のはたらきによって
重要度別に蓄積されていきます。したがって、忘れたといっても
脳から消去されてしまったわけではありません。そして一つの情報は
複数の情報とリンクするようにできています。
時計を見るという行為は無意識のうちに何度かする行為ですよね。
そのときも脳は一応、過去の情報を照会するわけです。そして何もなければ
必要ない情報として忘れてしまいます。しかし、時刻情報が何らかの記憶に
引っ掛かるとそれを意識として報告するわけです。これが第六感なんですが
過去の記憶の検索は無意識で行っているため「不思議だな~」って
思うわけです。
街で知り合いをすぐに見つける人がいますよね。あれも「第六感」です。
視覚情報としてはすれ違う全ての人の服装なり髪型なり顔なりを区別して
いるんですが、それは脳で処理されて必要なし判断されるため、
すれ違う人は「その他大勢」として覚えていません。しかし、
すぐ見つけられる人というのは個人レベルで処理しているとき、
過去の知人データーを見つけられるような神経ネットワークが構築されているため
大勢の中から知人だけを選択的に認知できるわけです。
研究者の成果なんてこの「第六感」ばかりですよ。
ノーベル賞の受賞者に対する新聞のコメントを読むと、たいてい
「目的とは違う結果から生じた偶然の結果」なんてありますが、
研究してると目的と違う結果になることなんて日常茶飯事なことだし、
その大部分は特に意味のないことの方が多いんです。
でもたまに「なんか引っ掛かる」と思って追跡調査をして見ると
大発見だったりするわけです。
私自身、顕微鏡を覗いていたら「なんか違う」と思って、そのサンプルだけ
別の計測をしてみたら意義のある結果を発見したということがありました。
まとめると感覚器そのものは全ての情報を脳へ伝えるが、脳が処理している
ために我々は選択された情報しか意識できない。でも、たまに必要無いと
思われた情報が過去に蓄積された情報にリンクすると不確定な情報として
一応、意識として報告する。その不確定な意識を元に次の指令を下すか
棄却する。棄却した意識や指令そのものはすぐに忘れてしまうが、
指令により行動し、特異的な結果を得た場合、不確定だった意識を
思い出して「不思議な経験」として記憶する。これが「第六感」です。
お礼
大変細かく教えていただきありがとうございます。 具体例も分かりやすく参考になりました。 第六感についてよく分かりました。 本当にありがとうごさいます。 また何かあったときはお願いします。