鍼灸師の方に質問です。(中医学と鍼灸について)
私はひょんなきっかけで、海外(カナダ)で中医学を学び最近試験に通り、中医師(鍼灸、漢方)になったものです。学校での先生は半分が中国出身(北京、上海など色々)で半分がこちらで育った人や移民(中国系の人も含むけど、その他の国、地域出身など本当にばらばら)というところでした。しかし、基本的には現在の中国でされている教育を基本にする、という事で統一された「古典中医学(traditional Chinese Medicine)」を学びました。
しかし、この「古典中医学」は文化大革命の後で中国の国家が中医学を統一して西洋医学の「科学」にあわせるように系統立てられているとの事。文化大革命以前に育ったり、昔の先生についていた、という中国出身の先生によると「現在の中医学は漢方の考え方に沿ってできた診断法・治療法が主で、漢方には強いが鍼灸に当てはめるのは間違い」とか「学校では教えないけど、鍼灸は別の体系を当てはめたほうが良い」といったり「鍼灸は日本の方が進んでいる」という人もいて、驚きました。
また、アメリカ出身の人が中国に行って有名な鍼灸師に学んでその時の記録を本にしたものを読むと、その鍼灸師は経絡に沿って手(指)を動かし、どの経絡が病んでいるかを見極めその経絡の経穴を用いています。
そこで質問です。私は日本での中医学、もしくは鍼灸教育や状況について全く無知ですし、用語の使い方も間違っている可能性がありますが、その点ご了承の上お答え頂ければ幸いです。
(1)現在の中医学(中国で体系化されたもの)は何人かのこちらの先生が言った様に「鍼灸に当てはめるのは間違い」なのでしょうか?効果が全くないと言う事はないと思うのですが、別の方法論、診断法のほうが良いとか、お考えをお聞かせ下さい。
(2)日本の鍼灸のサイトなどはあまり見なかったのですが、ちょっと見てみると日本の鍼灸界には系統だった考え方はなく、流派がばらばら、という事を良く目にしました。一方で、こちらでは"Japanese Acupuncture"として"Meridian Therapy"というのを良く目にし、セミナーなどもよく見かけます。恐らく経絡を元に診断・治療する方法だと思いますが、これは、日本では主流なのでしょうか?「流派がバラバラ」なのに「Japanese meridian therapy」と呼ばれるものがある事に少し違和感があります。
(3)なぜこの質問をするに至ったかに関する事でもあるのですが、(1)(2)を踏まえ、今後どのように(鍼灸における)自分の勉強、そして診察治療を進めていくかで迷っているのでアドバイスを頂ければと思います。今までは学生として、学校の方針やテストの事があったので古典中医学での診断、治療法のみに基づいて勉強してきて、そして試験もそれに沿って勉強し受かりました。しかし、「中医学」と鍼灸への効果の関係があまり優れていないのであれば、これにそってこのまま診察・治療を行うより、鍼灸は鍼灸で 別の体系を学んだほうが良いのかと迷っています。
以上、質問が多くなって恐縮ですが、ひとつだけへの回答や、全部まとめての回答でも構いませんので、何らかの回答・アドバイスを頂ければ嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。