こんにちは。
結論から先に書くと
■遺伝的生体構造が近いから。
■本能的・社会的な行動が近いから。
地球上の動物の中で、チンパンジーは最も人間と近い遺伝子を持つと考えられています。
以下、ちょいと難しい文章になりますがカンベンを。
同じ霊長類である人間とチンパンジーの遺伝的な相似(似ているところ)は98.5%と考えられています。A、T、C、Gの4文字で表わされるアデニン、チミン、シトシン、グアニンというDNA分子を構成する4種のヌクレオチドの塩基配列の比較に基づいて数えられたものです。
海外の資料ですが、こんな感じ
ttp://wired-vig.wired.com/news/images/0,2334,57892-6535,00.html
そのぐらい似た部分があるという事は、人間とチンパンジーは社会的行動にも論理的思考、本能的な欲求や衝動にもお互いに理解しやすい部分があると言えるでしょう。
頭がいいと言われる動物は猿の他にも沢山います。
鯨やイルカは独自の言語も持っているし、アリや蜂は高度な社会構造を持っています。でも、彼らはあまりに生物としての構造が私達と異なるため、人間との意思の疎通に大きな壁があるのです。
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そうした生体的相似と共に、生態的相似も挙げられます。
簡単に言えば「共感できる感覚」を数多く持ってると言えるでしょう。
人間が人間であるためには生まれてきただけではなく、人間として育てられる必要があります。それは、自分以外の個体から「言葉」を学び、「社会習慣」を学び、係わり合いから「感情」を学ぶ必要があるからです。
いわゆる「狼少年」、狼に育てられた人間は人であって人でないケースがあります。
こうしたケースでは、発見後にいくら人間社会で訓練しても、もはや人間としてのアイデンティティーは完全に形成されない事例があり、そこからもいかに人間は人間に作られるという事が重要か分かります。
つまり、その逆のケースとしてチンパンジーも考える事ができるのです。
チンパンジーが人間と共に暮らしていると、それこそ自分が人間であると思ってるかのような状態になり、人間としての行動を習得していくのですね。
それは決して「真似る」というものではなく、自発的に「表現する」という力になっていくのです。
ですが、そこには限界があります。
どうがんばってもチンパンジーの脳の発達は人間の3歳~5歳児程度が限界、肉体的にも人間的な言葉を操る声帯を持っていません。手話や図形を使って意思疎通をはかるのはニュースでも見た事があると思います。
しかして、手話でも図形でも、その論理性を理解するという事は、人間と共通する「概念」を理解できるという可能性でもあります。
だからこそ、人間はチンパンジーの行動を「より人間に置き換えて」理解する事ができますし、表情から感情を読み取り「人間の精神構造」に当てはめて理解する事もできるのです。
その結果、人間は「チンパンジー」に人間らしい部分を見て、
人間とチンパンジーが共感できる部分を見出すのでしょう。
それは、単なる遺伝的に近い種であるからだけでなく、
他の動物に比べてより心が通じ合うような気がするからではないでしょうか。