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養護学校の施行時期について

盲学校または聾学校は1948年から義務制が施行されたのに養護学校の義務制はずっと遅れて1979年からの施行と書いてあるのですが、なぜ養護学校だけ施行されたのがこんなにも遅いのでしょうか?知っている方がいたら教えてください。

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回答No.1

こんにちは。教育学の研究をしている者です。 おたずねの場合の「義務」というのは、ご承知かと思いますが、地方自治体に対する学校設置義務のことをさしています。養護学校の設置義務は、都道府県に課されています。1979年に義務化されたというのは、つまりこの年から都道府県は必要な質と量の養護学校を設置する義務を負った、それ以前はそれを当面猶予されていた、そういうことです。なぜ猶予されていたのかと言えば、それは財政負担が大きいから、というのが通常の説明だと思います。盲・聾学校にくらべて養護学校は対象範囲が広く(身体障害、知的発達、重複障害などもあります)、また程度も様々です。そうした子どもたちの必要に応ずる教育を、県内のすべての地域について保障する(あるいは代替的な手段を講ずる)のは要するにカネがかかるわけです。 なお1979年以前に養護学校が存在しなかったわけではありません。すでに十分に養護学校を設置していた地域では、1979年以後も特に変化はなかったといえます。 また、義務教育のもう一つの側面、「保護者の就学させる義務」は、障害のある子どもを持つ保護者にも当然課されていました。しかし親が就学させたいと願っても、現実に通える養護学校が設置されていないためにその願いがかなわない。そういった場合に、「就学義務の猶予・免除」を願い出ることが親の意に反して事実上強制されるということもあったようです。 以上の回答には欠けている要素があります。カネが問題だったなら、なぜ1979年からは義務化することができたんだ?ということ。政治的英断と言えばそれまでなんですが、なにか明確な理由があったのかもしれません。別の方の回答を待ちたいところですね。

mitari
質問者

お礼

丁寧に有難うございました。参考にさせていただきます。

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  • hukuponlog
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回答No.3

1番の方の回答は、よく整理されていると思います。2つほど補足をさせて下さい。 1.もちろんカネの問題が大きいのでしょうが、知的障害者(脳性麻痺なども含めて)は福祉の対象であっても教育の対象とは考えない、という明治以来の教育観があったのではないかと思います。 2.ご自身でご指摘されている「カネが問題だったなら、なぜ1979年からは義務化することができたんだ?」という点については、政治的英断というよりも、養護学校義務化を求める声と運動の高まりに押されて、という方が正しいように思います。 60年代後半から70年代前半という時期は、政治的には社会党・共産党など革新勢力が伸張し、主要な都道府県・政令指定都市で革新首長が誕生した時期でした。高度成長期を経て、経済的な充足を果たした日本で、生活・権利・福祉などの意識が私たちに生まれた時期でもありました。 従来、日の目を見ることがなかった政策課題の実現を求める運動が高揚したのも、原点はこの時期にあったように思います。同時に政治の側も、それに対応せざるを得なくなってきた時期でもあったのでしょう。冗談ではなく、70年代には革新勢力が政権を取るかもしれないと思われていたのですから。 薬害エイズやハンセン病などは「政治的英断」と言って良いかもしれませんが、養護学校義務化はちょっと違いました。今では考えられない雰囲気ですので、その場にいなかった方にはぴんと来ないかもしれません。 この辺りの雰囲気は、山本おさむ氏の「どんぐりの家」という漫画が、かなり的確に伝えています。 当時「54義務化反対」運動というものも存在しました。統合教育を求める立場から、養護学校への修学義務化に反対する(昭和54年から実施)という運動です。この人たちが文部省などに要請に行くと、「修学の義務化を求めているのは皆さん(知的障害を持つ子どもたちの親)なんですよ」という反論が返ってきたそうです。

mitari
質問者

お礼

丁寧に有難うございました。参考にさせていただきます。

回答No.2

学校教育法制定当時、盲・聾学校の設置状況に比べ、養護学校は皆無だったことが大幅に遅れた理由だそうです(盲・聾学校は明治時代からあったらしい)。 昔は、知的障害、肢体不自由、病弱などが障害だと認識されていなかったのでしょう。認識されてからも、行きたければ普通学校の特殊学級に行けばよい、行けないなら仕方ない、という考えだったのではないかと思います。

mitari
質問者

お礼

有難うございました。参考にさせていただきます。