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マンガン除去の原理を教えて!
マンガンが含まれる水を処理する場合、塩化第二鉄と次亜塩素酸ナトリウムを添加して共沈させる方法がありますが、原理がよくわかりません。 共沈の原理と、なぜ次亜塩素酸ナトリウムが必要なのか教えて下さい。また、この方法で亜鉛等ほかの金属も除去できるのでしょうか?
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少し補足させて頂きます。 第二鉄(FeIII)のpH変化による溶解度は参考URL(4)のFig2で示されます。単純にFe+3のみだと左側に実線ですがその他の水酸化鉄イオンも存在し、それらを合わせると最小値のある曲線のようになります。pHが6以上で鉄は20nM(1.1μg/L ≒ 1.1ppb)となります。(pHが8以上になると溶解度は高まります。) 水酸化第二鉄の沈殿はフロック(水中にフワフワしていて綿毛に似た状態)は懸濁あるいは溶解する物質も包み込んで一緒に沈殿させるもので水処理では凝集沈殿であり、化学では共沈(coprecipitation)と言い微量であって沈殿や遠心分離では分離できない重金属を濃縮するのに使われます。 重金属のpH変化による溶解度の例は参考URL(5)のFig2-8のようでそれぞれの金属で異なります。これも他の金属水酸化イオンや共存するイオンや有機物との関係があって単純なものではなく、例えば亜鉛であればZn(OH)2だけでなく、[Zn(OH)4]-2、[Zn(NH3)4]+2 なども考慮せねばなりません。亜鉛が最小の溶解度を示すpHは約11で、凝集剤の第二鉄とは同じではありません。 水酸化第二鉄フロックに他の重金属が取り込まれるイメージは少し異なりますが参考URL(1)のFig6を参照ください。 参考URL(1)の図14に各種重金属の凝集剤の第二鉄で凝集沈殿したときのpHと残留値がありますが、亜鉛ではpH≒8.5になっています。また中和剤に何を使うかも影響します。参考URL(3)の2ページ最下段の図に一例があります。 これらは、共存する物質や濃度、装置や操作条件などで異なるので、理論はあくまで基本であって、それ以上に経験が求められる世界でもあります。 参考URL: (1)重金属の沈殿分離 http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/chromium_free/2-3761_A-A2-3b.htm (2)無機廃液処理の概要 http://www.okayama-u.ac.jp/user/ace/haieki/syori/mukisyori/mukisyori.html (3)亜鉛の処理技術について http://www.env.go.jp/council/09water/y099-02/mat04.pdf (4)Hydrolyzing metal salts as coagulants http://www.iupac.org/publications/pac/2001/pdf/7312x2017.pdf (5)Treatment of wastewater including heavy metals http://www.apec-vc.or.jp/co-op/mekki/pdf/2_5.pdf http://www.apec-vc.or.jp/co-op/mekki/docs/2_5_01.htm (6)UNIPURE Process Technology http://www.unipure.com/tech/index.shtml (7)A high-resolution TEM-AEM, pH titration, and modeling study of Zn2+ coprecipitation with ferrihydrite http://www.netl.doe.gov/osta/techpapers/2005-013.pdf
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- kei533
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>この方法で亜鉛は沈殿するんでしょうか? ある程度としかお答えできません。 >添加した塩化第二鉄の鉄分はほとんど全て沈殿するのでしょうか? Fe3+の溶解度は中性付近で計算上はng/Lレベルです。長時間静置すれば大部分は沈殿しますが、気泡がフロックに付いたり、水質によっては一部が微粒子になって残ることがあります。それらは急速ろ過でもキャッチされないこともあり、ろ過水に0.01~0.1mg/L位検出されることもあります。それも精密膜フィルターでろ大部分除けます。処理技術次第で決まります。
- kei533
- ベストアンサー率56% (60/107)
地下水などに含まれるマンガン(Mn2+)は多くても数mg/L以下です。次亜塩素酸ナトリウムで酸化されて不溶性のMnOxになりますが、それらが凝集して沈殿しやすいフロックには容易になりません。場合によってはコロイドを形成することもあります。そこで凝集剤の一種である塩化第二鉄を加えて、そのフロックに抱き込んで沈殿させる(凝集沈殿)わけです。次亜塩素酸は水処理では二価鉄イオン(Fe2+)やシアンの酸化にも使われますが、滅菌にも使われます。凝集沈殿は中性付近で水酸化物をつくる金属イオンは濃度次第では水酸化第二鉄フロックと共沈して濃度が低下することもあります。
お礼
なるほど、ありがとうございます。 この方法で亜鉛は沈殿するんでしょうか? それと、添加した塩化第二鉄の鉄分はほとんど全て沈殿するのでしょうか?
前者だけ。 「やってみたら.いっしょに沈殿した」が昔の内容。 近年は.たかく錯体の形成
お礼
私は某市役所勤務で、この4月から一般廃棄物焼却灰の埋立地からの浸出水の処理施設の水質管理をしていますが、畑違いの仕事のため、水処理の原理も理解しないままでいました。kei533さんのおかげで少しはわかるようになりました。ありがとうございます。