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民法180条以下の占有権に関連して

民法180条以下の占有権に関連して「本権」と「権原」という法律用語が登場します。 ネットや辞書で言葉の意味を調べましたが、私のような法律初学者にはとても観念的(抽象的)で理解できません。 本権:占有することを法律上正当化する権利 大辞泉 事実上の関係としての占有を法律上正当づける権利。所有権・地上権・賃借権など。 大辞林 事実上の関係である占有を法律上正当づける権利。所有権・地上権・質権・賃借権など。占有すべき権利。 権原:権利の発生する原因 大辞泉 民法上、ある行為をすることを正当とする法律上の原因。権利の原因。 大辞林 〔法〕 ある行為をなすことを正当とする法律上の原因。 お手数ですが「本権」と「権原」を具体的な例を挙げて説明して頂けないでしょうか。 ご回答の程、宜しくお願い致します。 尚、占有はどうにか理解できました。

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noname#35690
noname#35690
回答No.2

なかなかイメージするのが難しいところですね。 お分かりになっている占有も含めて説明してみますので、ご理解と重複する部分はご容赦ください。 よく占有権とは事実上の権利だと言われています。土地であればそこに住んでいるという事実状態を権利として一応の法的保護を与えるのです。 例を出して言えば、無断で土地に入り込んで勝手に住んでいる人も占有権があり、一応の法的保護が与えられます。土地に住んでいるという事実状態があるからです。 しかし、勝手に住んでいる人は、所有権や賃借権を有していませんね。この人は占有権はあるが本権はないのです。 ここらへんで少しこんがらがってきたかもしれませんね。おそらく、じゃあ占有権は何のためにあるのだろうかが疑問になってきているのではないでしょうか。 勝手に住んでいるような人まで、どうして一応の法的保護を与えるのでしょうか。それは、所有権や賃借権は目に見えない権利なので証明が難しいことも多く、目に見える占有権をまず法的に保護することで証明を緩和することに趣旨のひとつがあるからといえます。 勝手に住んでいる人は別として、事実上住んでいる人 は通常所有権や賃借権を有しているのが大多数ですよね。ところが土地の権利関係に紛争が生じたときに、所有権などの本権を常に証明を要求するのでは、証明に時間がかるので無駄が多いからなのです。 そこで住んでいる事実状態を占有権として、とりあえず保護するのです。 とりあえず保護するというのは、占有権の主張のみで紛争が解決するなら、それでいいじゃないかという発想です。 しかし、相手が占有権を持っていても、自分が所有権という本権をもっているんだという場合には、別の訴訟で本権である所有権を主張させて最終的な紛争を解決するのです。 先の勝手に住んでいる人の例だと、まず第一訴訟で占有権の争いだけをするならば、勝手に住んでいる人が占有権を有しているので一応勝利します。 しかし、この例では、それでは所有権者は黙っていないですよね。すなわち紛争はまだ解決しないですよね。この場合に第二訴訟で所有権者は所有権という本権を主張することで最終的に勝利します。 これが本権を有して占有している例でいえば第一訴訟だけで決着がつけられ、立証が容易なので簡単に紛争が解決できることが多いのです。 このように占有権と比べて目にはみえないが占有という目に見える権利を基礎付ける所有権などを本権というのです。 そして、このような占有権を発生させる原因となるもの、売買契約や贈与、賃貸借契約などを権原といいます。普通は土地を買えば住むということが可能になり、占有権を有することになりますよね。 また補足が必要なときは言ってください。

roguetrader
質問者

お礼

ご丁寧な解説有難うございます。目から鱗が落ちたようです。

その他の回答 (1)

回答No.1

あまり難しく考える必要はないところなのですが、どちらも物に対する権利と考えていいと思います。 185条 権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合 →例えば、賃借権は適法な占有といえますが、所有の意思はありませんよね? 新たな権原によりさらに占有の意思をもって… →例えば、売買や相続など、従前とは別個の占有事由が発生した、ということです。 189条2項 善意の占有者が本権の訴えにおいて… →適法な占有権限の存否に関する訴訟において… こんな理解でいいかと思います。

roguetrader
質問者

お礼

早々のご回答有難うございました。参考にさせて頂きます。

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