中枢神経系の鍍銀を普段行っていますが、Golgiについては全く実施した経験がないので、大したアドバイスにならないかも知れませんが。
#1の方が紹介されていた「染色法のすべて」の冊子は古い方なのでしょうか…?
最新版は「新 染色法のすべて」というものが出ています。以前のものにはGolgi染色法について触れられていませんでしたが、これには詳細なmethodが記載されています。Golgi鍍銀法は、他の染色法と比べて、固定操作の時点から手技の煩雑さが伴い、また染色にも時間を要するばかりでなく、クロムを使用することから試薬毒性の点でも最近は避けられがちです。
かなり操作の熟練を要するものですし、免疫組織染色が手軽に行えるようになった今日では、さほど重要視されなくなってきました。
おかげで染色のテキストでもあまり掲載されているものも見かけなくなりました。ですが、かなり時代をさかのぼった古いテキストを探されると、読みやすい形で、写真付きで掲載されているかも知れません。
私は神経変性疾患を主にターゲットとしていますので、鍍銀法としてはGallyas染色が主体で、その他にはBielschowsky法、Bodian染色でまかなっています。ですが、やはりGolgiのような詳細な構造まではシャープに観察できませんので、できることならGolgiで観察してみたいのですが、ついつい抗ニューロフィラメント等の抗体による免疫染色で妥協してしまいます。しかしコスト的に言えば、決して安上がりなものではありませんよね…。
文献についてはご自分で検索されたかも知れませんが、
1) Spacek J.
Dynamics of Golgi impregnation in neurons.
Microsc Res Tech. 1992 Dec 1;23(4):264-74.
2) Patterson JA.
A modified, prefixed, Golgi-rapid technique for the cephalopod retina.
J Neurosci Methods. 1985 Jan;12(3):219-25.
3)Kemali M.
A modification of the rapid Golgi method.
Stain Technol. 1976 May;51(3):169-72.
4)Butler R.
Very rapid selective silver (Golgi) impregnations and embedding of invertebrate nervous tissue.
Brain Res. 1971 Oct 29;33(2):540-4.
以上が「rapid Golgi silver impregnation」の文献です。一応チェックしてみてください。
あまり参考にならなかったらすみません。
お礼
本屋にて、早速「新」染色法のすべてを購入しました。 古いものよりも書き方は雑ですか染色法は多く、非常に参考になりました。明日Potassium dichromateが届くため、早速行ってみようかと思います。 私は病理系かと思われたかと思いますが、分子生物学の分野でそのようなことを行っています。通常、免疫染色、LFB+Bodian、Gallyas-Braak、Feulgen等を利用していますが、今回Purkinje cellの突起伸長に異常がある傾向が見られたため、Golgi染色を行ってみようと思った次第です。 sonorin様はじめ、MiJun様、dora1様、doubleknockout様、私のために様々なアドバイスをいただき、ありがとうございました。よろしければ私のプロフィールより一言いただければ幸いです。