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安部公房「空飛ぶ男」について
- 安部公房の短編小説「空飛ぶ男」についての疑問です。市販の文庫版と兄の高校の教科書で読んだストーリーが異なっていたため、結末の変更の理由を知りたいです。
- 「空飛ぶ男」のストーリーの概略は主人公が夢を見ていると、窓の外で不格好に飛び回る男を目撃します。夢から目覚めた後、その男と再会し、主人公は恐怖を感じます。市販の文庫版と教科書版では結末が異なります。
- 教科書版では、安心した空飛ぶ男が部屋の中で実演を行い、主人公は恐怖に襲われます。男の姿消えてしまった後、主人公はそのいびつな結末に衝撃を受けました。この後者のストーリーを再読したいです。
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実際に『安部公房全集』を見る機会がありましたのでご報告します。 いろいろ興味深いことがわかりました。 まず、収録されているのは23巻です。 okmさんが昔読まれたバージョンです。 全集の各巻末に作品ノートというメモがあるのですが、それによりますと、この「空飛ぶ男」は『波』1972年7月号に掲載されたエッセイなのです。 1971年3・4月号から連載された「周辺飛行」というエッセイシリーズの1編です。 エッセイとはいうものの、どれもこれから出す作品のプロトタイプみたいなお話ばかりです。 エッセイなので改稿前・後の両方は収録されていません。 1984年7月に現在流通している『笑う月』が再刊されました。 そして、聞いたことあるかもしれませんが、安部公房が死去した後に発見されたFDに入っていた未完の長編小説「飛ぶ男」は、「空飛ぶ男」を発展させたものなのです。 また機会があれば、私も安部公房作品を読みたいと思いました(^_^)
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- tamausagi
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非常に懐かしい想いにかられました。 実は12,3年前に高校の授業で読み比べたことがあります。 当時の現代文担当の先生は教科書を全く使わず、自分で作品を選んでプリントを作成していました。 その中に安部公房の「空飛ぶ男」がありました。 私が初めて安部公房を知ったのも、作品が世に出た後でも改稿する作家がいるのだということを知ったのも、改稿前・改稿後を比較するという知的興奮を覚えたのも、あの授業のおかげだと思います。 当時既に一般に売られているものは改稿後のものばかりで、改稿前のものはたまたま先生が持っていたものでした。 新潮文庫の「笑う月」の初版は1975年です。 いつ今のバージョンに変わったのかはわかりませんが、初版ならばokumさんが求めているほうの「空飛ぶ男」を読めるのではないでしょうか。 また、新潮社から「安部公房全集」全29巻が出ています。 作品が発表された順にインタビューやエッセイ・書簡にいたるまでおさめたものです。 安部公房が改稿した作品については異本も収録しているとのことですから、これに載っているのではないかと思います。 大き目の図書館ならそろえていると思うので25巻1974.03-1977.11から遡って確認すればよいと思います。
お礼
貴重な情報ありがとうございます!安部公房がそんなに頻繁に改稿する作家だったとは全然知りませんでした。もしかしたら私の記憶違いで誰も相手にしてくれないのではないか、と不安になりかけていたところですので非常に嬉しいです。本当にありがとうございました。
お礼
追加情報ありがとうございます!実は本日私も図書館でご案内の全集23巻を見つけ、借りてきたところです。細部に思い違いもありましたが、まぎれもなく私が昔読んだストーリーでした。いろいろありがとうございました!