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安部公房の「燃え尽きた地図」
わたしはこの作品が大好きです。 同じように「燃え尽きた地図」の世界にはまった方の感想を聞いて共有したいです
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読んだのが相当以前なので回答する資格は無いのですが、つまらないことですが、思い出したことだけ記してみたいと思います。 私が読んだのは新潮社から出版されていた茶色の函に入っていたハードカバーで、たしか「書き下ろし文学」シリーズなんかではなかったでしょうか。 まず冒頭と最終に書式形式の証明書が出てきたような気がします。失跡証明書だったか捜索証明書だったかですね。これには驚かされたと同時にいっぺんに興味を惹かれました。こういう本を見たのは初めてだったからです。 話の内容としては、興信所の男が行方不明になった人を捜索しているうちにいつしか自分も行方不明になっていくような事だったと思うのですが、実はこの本を読む以前に「砂の女」を読んでいたものですから、それとの繋がりがあるのかな、と思ったものです。「砂の女」ではある男が失踪しますが、その男を捜索するのが「燃えつきた地図」の興信所の男かなというふうにです。 「燃えつきた地図」でもそうですが、安部公房の会話文はすごくうまいですね。すんなり読めていくのですが その会話のなかに隠されている暗喩みたいなものがたえず見え隠れしているというか。 この本から受けるものはいったい何なのでしょう。 やはり「自分探しの旅」でしょうか。阿部公房の魅力はこういった重いテーマをさりげなく、スリリングな構成で、そして独特のユーモアで包んでいるところかなと思ったりするのですが、どうなんでしょうね。 最後に「砂の女」と同じ監督で、勝新太郎主演で制作した映画も見たことがあります。興信所の男に勝新太郎は正直ちょっとイメージ違いましたが、依頼主の女に市原悦子が演じてまして、彼女の飄々とした演技はいまでも覚えています。もし興味があるようでしたら一度観て・・・う~んお任せします。(笑 つまらない事ばかり書き込みました。気を悪くされなければ良いのですが。
私の「座右の書」(?)です。 自分の読解力の無さを棚に上げて言ってしまうと 読む度に新しい風景やエピソードの解釈に出会える作品です。 そんなふうに書くと、とても重そうな感じになってしまいますが 実際はそんな事もなくて 読書に疲れた時に気休めとして読むのに最適なくらいです。 ハードカバーは一読したきり手を付けずにしまってありますが 文庫本はもう何冊か読み潰しました。 日焼けした本がクルマのサイドポケットに入っています。 一度だけ、作品の冒頭に出てくる団地の描写とそっくりな風景に出会いました。 なんだかとても懐かしい思いを感じた事を覚えています。 作者と年代はずいぶん違いますが それでも作品の時代背景をリアルタイムで生きていましたし 生活環境も近いものがありました。 ですので、最初にあの作品に触れた時には 自分の生きてきた過去(大袈裟)と交差する部分を探しながら読みましたし 年齢が経つに従って、自分の中の過去の思い出が曖昧になっていくのに比べて 作品の中ではその時代がいつでもはっきり残っている(活字ですから当然ですが)事に戸惑いながら そのギャップを楽しむように読んでいます。
お礼
ありがとうございます。 akiyutakaさん にとって味わいぶかい作品なんですね。 私も読むたびに新たな発見があったりして楽しんでいます。 akiyutaka さんの感想を読んでいて久しぶりに共感の幸せを感じました(大げさかな笑)。 好きな本って持っていてもまた買いたくなりますよね!
お礼
ありがとうございます。 燃え尽きた地図も映画化されていたのですか、観てみたいです。依頼主が市原悦子さんとは、また、家政婦は見たのイメージが強くて、恐いもの見たさです笑