王子製紙の北越製紙株に対するTOB失敗が物語るもの...
クローズアップ現代を見て、やっと北越製紙騒動の全容を理解した者です。
流れとしては、
自己の世界市場における競争力と、国内の落ち込む製紙需要を危惧した王子製紙が、国内5位の北越製紙と手を組み競争力強化を企む→王子、北越との経営統合の交渉(失敗に終わる)→三菱商事が筆頭株主となり、北越は独立の路線を確保→王子によるTOBの開始→王子のライバルである日本製紙&北越の地元の官民一体の反対攻勢で王子TOBに失敗。
といったところでしょうか。
今までは、戦後の国内需要の拡大に伴って急成長を遂げることができてきた日本企業ですが、国家がいよいよ力をつけてくれば、世界市場で、海外企業との一騎打ちを迫られる。日本企業はそんな時期に差し掛かっているのだと思います。
『自分たちは地元で今まで頑張ってきたし、これからも地元で頑張るから放っておいてくれ』といわんがばかりの北越の態度に対して思います。『自身は大きくなりたくはないのか!』と。王子と組めば、確かに地元の取引先との関係にも変化がおきますし、経営も王子中心になるでしょう。でも、そうすることによって、“井の中の蛙”から、世界の北越・王子製紙と称されるようになれば、一企業として、それは大きな功績だと思うのです。
世界的競争に身を置くということは、喰うか喰われるか という状況におかれる ということです。少々、日本企業の認識が甘いように思えるのですが、皆さんどう思いますか? このままでは、経営が弱体化したところを、外資に狙い撃ちされる気がするのですが...