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四万十帯

四万十帯で産出する化石は、北側ほど古く南側ほど新しい。しかし、1つ1つの逆断層にはさまれた地帯では北側ほど新しい(1)。このような作用は、海底堆積物のはぎとりと付加で説明できる。玄武岩やチャートは、海洋プレートからもたらされたものである。ときとして、陸側から大規模な海底地すべりが生じる。四万十帯は白亜紀の中ごろから、ちょうど佐川造山運動の起こっている最中に始まり、第三紀の中ごろまでの海溝付加作用で形成されたと考えられる。これらの運動の総称を四万十川造山運動とよんでいる。 秋吉造山運動も佐川造山運動も、基本的には海溝付加作用をともなうものであると考えられる。沈み込むプレートが温度勾配の低い条件をつくりだし(2)、それによって三郡や三波川の高圧型変成岩(3)が生じ、また、島弧または陸弧の火成作用に関連する温度勾配の高い条件下で飛騨や領家の高温型変成岩(4)が生じたと考えるとわかりやすい。 上の四万十帯に関する解説で、疑問に思ったところに番号をつけました。以下が疑問に思った内容です。 (1)逆断層にはさまれるという意味がわかりません。どんな図になるんでしょうか。なんでそこだけ南北の新旧が逆転するのでしょうか。 (2)ここでいう温度勾配とは、どこからどこへの温度の変化に対して言っているんでしょうか? (3)(4)温度勾配が低い→高圧型変成岩、温度勾配が高い→高温型変成岩となるのはどうしてなんでしょ うか? 図にかけないのが何とももどかしいですが、どうか見ていただけないでしょうか。

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  • shkwta
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回答No.2

(1)図をいくつか探したところ、次のものがわかりやすかったです。 http://www.gsj.jp/Muse/c_news/n_index/cn94/9410.html ここの、木村克己「付加体地質学と100万分の1日本地質図改訂」の第6図をご覧ください。海底の堆積物が、陸にもぐりこむ海洋プレートの運動によって、陸側に押し付けられていきます。 海底の堆積物は、  a.海洋プレートは陸にもぐりこんでいるので、堆積物は沖に行くほど新しい。  b.一つの地点の堆積物は、下側が古く上側が新しい。 という形で堆積しています。 これが陸に押し付けられると、 // // // // ← = = = = このように、堆積物が逆断層で分断されて、斜めに積み重なる形になります。逆断層で区切られた個々のブロック内では、b.を反映して、上の図でいうと左側が新しいのです。しかし、並んでいるブロック同士では、a.を反映して、右側が新しいのです。 (2)温度勾配という言葉をここで使ったのは適当でないと思います。単に、温度でいいはずです。三郡変成岩や三波川変成岩は、あまり温度が高くない条件下で、原岩が高圧にさらされてできた。飛騨変成岩や領家変成岩は、あまり圧力の高くない条件下で、原岩が高温にさらされてできた、ということです。 では、なぜ著者は温度勾配という言葉を使いたくなったのかと考えると: http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/henseigan.htm ここの一番下にある図がわかりやすいです。低温高圧型変成岩は、もぐりこむプレートの運動で、原岩が深いところに引きずり込まれ、高圧を受けてできます。ここの温度勾配とは、地球表面と比較してのものだと思います。プレートは、もぐりこんでも簡単に温まるわけではありませんので、このような変成の場は比較的低温だというわけです。 一方、高温低圧型変成岩は、原岩が大量のマグマによる加熱を受けてできます。マグマは地下深部からやってくるので、地表とは大きな温度差を持っています。したがって、この場合も地球表面と比較した温度差を温度勾配と表現していると思います。

msndance
質問者

お礼

いろいろとリンクはってくれたおかげでなんとか理解できました。 非常にわかりやすかったです。ありがとうございます。

その他の回答 (1)

  • kagakusuki
  • ベストアンサー率51% (2610/5101)
回答No.1

(1)断層は地盤の耐久強度を上回る応力が地盤に加わる事で、地盤が割れてずれる事によって出来ます。  断層によって地層がずれる境界面(断層面)は、大抵の場合鉛直方向(水平面に対して直角)ではなく、斜めに傾いています。  断層が出来る原因となった応力が引張り力だと、斜めに生じた断層面の上側にある地盤が落ち込み、地上に現れる断層面の傾斜角度は90度よりも小さくなり、この場合を正断層と言います。  逆に圧縮力が加わると、上側にある地盤が下上側にある地盤の上に乗り上がり、地上に現れる断層面の傾斜はオーバーハングとなり、この場合を逆断層と言います。  逆断層にはさまれるというのは、このような逆断層が(地図上に)複数あり、地図上で見ると2本の逆断層の間にある土地又は地盤は、逆断層にはさまれているという意味だと思います。  日本列島はユーラシアプレートの東端にあり、太平洋プレートやフィリピンプレートなどが、おおむね南東の方角から押し寄せています。  そのため地盤には圧縮応力が加わり、逆断層が出来やすいわけです。  陸地では、風雨の浸食により新しい地層が削られ、古い地層が地上に現れる傾向があります。  一方、海洋では、堆積によって新しい地層が生まれ続ける傾向があります。  古い地層を持つ陸のプレートの端に、新しい地層を持つ海洋のプレートが南東から押し寄せて、堆積物を付け加え続けているため、来たの地層は古く、南の地層が新しいものとなるのだと思います。 (海洋のプレートは陸のプレートよりも比重が大きいので、陸のプレートの下に海洋のプレートが潜り込んで行くのですが、表層の堆積物は比重か小さいため、岩石層の表面に取り残されやすいのです) (2)に関しては私には判りません。 多分、造山運動によって地下深くの温度の高い所から押上げられて来た、岩体やマグマ等と比較的地表近くにあった地層を構成していた物質(比較的低温)との間の温度勾配の事ではないかと推測致します。  沈み込むプレートの応力によって生じる造山運動は、マグマの浸入を伴わ無くても起き得ますから、温度勾配が低くなる事が多いのではないかと思います。 (3)温度勾配が低い→温度変化が少ない→高温にはなり難い→変成岩が生じる場合は高圧型が主となる (4)温度勾配が高い→温度変化が大きい→最高温度が高い→高温型変成岩が生じる

msndance
質問者

お礼

(1)(2)については#2さんの回答を、(3)(4)については#1さんの回答を参考にさせていただきました。 ありがとうございました。